用語の解説 設計図

竣工図書とは?意味や役割、竣工図との違い、内容について分かりやすく解説!

2023年4月24日

竣工図書とは、工事経過の記録、完成した建物の図面、及び取り扱いに関する事項など必要な情報を、工事を請け負った会社が建築主へ資料として提供する目的で整備する一連の図書のこと。

この記事では、竣工図書の意味や役割、竣工図との違い、内容について解説します。

 竣工図書の意味

建築工事が完了して建物(附帯設備含む。以下同じ)が完成すると、工事を請け負った会社(建設会社や工務店)から建築主へ建物が引き渡されます。

その際には併せて竣工図書も建築主へ納められます。

竣工図書とは、その建物を使用し維持していくための、工事経過の記録、完成した建物の図面、及び取り扱いに関する事項など必要な情報を、工事を請け負った会社が建築主へ資料として提供する目的で整備する一連の図書をいいます

 竣工図との違い

竣工図は、完成した建物の実際の姿や内容を示した図面です。

竣工図は建築工事を請け負った会社によって作成され、実際に建築された建物の内容と相違ないことについて工事監理者(建築士)の確認を得て、建築主に納められます。

一方で竣工図書は、竣工図を含めて工事経過の記録、完成した建物の図面、及び取り扱いに関する説明書など、建物が引き渡される時に建築主に納められる多様な情報資料を集めた一連の図書を示すものです。

したがって竣工図は竣工図書の一部を構成するものといえます。

竣工図書の役割

建物の引き渡しに際して、工事を請け負った会社から建築主に納められる竣工図書には次のような役割があります。

➀ 建物の登記

建物の引き渡しを受けた時から一か月以内に、建築主には建物表題登記の申請を行う義務があります。

表題登記がなされてから所有者としての所有権の保存登記が行われますが、表題登記の申請は、竣工図書のうち完成した建物の概要書や竣工図に表示された内容に基づいて行われます。

② 建物の使用と維持管理

建物の引き渡しを受けた時から、建築主は建物を使用することができます。

建物の使用と維持管理には、竣工図書で示された竣工図、維持管理注意事項、取り扱い説明書などが重要な拠り所となります。

また建物の防水、建具、設備機器類などのトラブルに関して、保証期間があるものは保証書が役立ちます。

③ リフォームと修繕

建物のリフォーム又は修繕が必要になった場合は、竣工図書の工事経過の記録、竣工図、取り扱い説明書、各種保証書などは、リフォームや修繕の対象部分を詳細に把握し対処するうえでの基礎的な資料になります。

④ 建物の売買

建物が売買される場合において、建築主から買主へ建物のプロフィールを明確にする竣工図書が引き継がれる時は、買主に安心感を与えることとなり、あわせて資産価値の維持にも役立つことになります。

竣工図書の構成と内容

竣工図書は、一般的に次のような構成と内容で、保存しやすいファイルなどを用いて取りまとめられます。

➀ 工事の概要と完成した建物の図面等

工事概要書、竣工図(仕様書を含むもの)、竣工写真など 

② 工事経過の記録類

工事経過の各種記録類、工事写真など

③ 工事に伴う検査、試験の結果

工事に伴う各種法定検査の結果、各種の施工者検査及び試験の結果、消防検査の結果など

④ 維持管理注意事項

各種の要点検事項。要清掃事項、許容載荷重など

⑤ 取り扱い説明、保証書類

建物の各種取り扱い説明書、各種の保証書類など

⑥ 工事関係者一覧、担当、連絡先

請負会社及び協力会社の各社名、各担当、各連絡先  

⑦ 鍵引渡し書

鍵リスト、引き渡し書

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