ささら桁階段とは桁がジグザクに稲妻型になっている階段。
見た目がおしゃれで意匠性のある階段です。
この記事では、ささら桁階段の特徴や意味、側桁階段との違いについて分かりやすく解説します。
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ささら桁階段とはどんな階段?
建築で使われる階段の形状は「ささら桁階段」「側桁階段」「螺旋階段」「片持ち階段」など様々な種類があります。
木造では「ささら桁階段」「側桁階段」が主要な階段です。
ですが普段から階段の作りを注意深く観察していないと、ささら桁階段と側桁階段の違いに気が付くことは難しいのではないでしょうか?
この記事では、木造で一般的な階段の一つ、「ささら桁階段」に焦点を当て解説していきます。
ささら桁階段の『ささら』とはどんな意味?
ささらとは元々、「さらさら」という音から生まれた言葉です。(諸説あり)
細かく割った竹を束ねた道具や、木に細かく切り込みを入れた楽器に「ささら」という言葉は使われてきました。
また「さざら」とも言い、細かい、小さい、僅かなという意味もあります。
ささら桁階段も段板を下から支える桁に段ごと切り込みが入った形状なので、細かく切り込みを入れた楽器「ささら」に似ています。
イナズマ型はささら桁階段の特徴
では、ささら桁階段の特徴を解説していきます。
そもそも桁とは建築用語で上の荷重を下から支える部材のことを指し、階段では段板(踏み板)を下から支える役目をしています。
ささら桁階段といえば桁が特徴的で、その形状は下から上に昇るジグザグの稲妻型。
その桁の各切込みにひな壇のように段板を載せていき、階段を作り上げていきます。
見た目も壁との境が、段板と踏み込み板(段板に足を乗せたときに爪先にあたる部分板)でガタガタと稲妻型になっているのが特徴です。
またデザインによっては踏み込み板をつけないこともあります。
その場合敢えてサイドに壁を作らず、デザイン性の高い手摺をつけて「見せる階段」としてインテリアの一部とするパターンも少なくありません。
ささら桁階段と側桁階段との違いは『桁』の違い
ささら桁階段の桁は稲妻型ですが、側桁階段は一体どんな特徴をしているのでしょうか。
側桁階段は読んで字のごとく、桁が側にある階段です。
ささら桁階段では段板を乗せる形で下から支えていましたが、側桁階段は両側から側板(がわいた)と呼ばれる部材で段板を支えています。
側板は斜めに真っすぐ伸びる板で、踏み板と踏み込み板が当たる部分に予め掘り込みを施しておき、施工する段階で順番に嵌め込んでいきます。
そうすることで側板がしっかりと荷重を受けてくれるので安定するという訳です。
さて、構造の違いは説明しましたが、次はささら桁階段との見た目の違いです。
ささら桁階段と側桁階段との見た目違いはずばり、階段の両側に側板が有るか無いか。
ささら桁階段と側桁階段のどちらもすっきりしていますが、設計ではデザイン性を重視する場合、自由度の高いささら桁階段を選択することが多いです。
ささら桁階段の解説まとめ
ささら桁階段はそのデザイン性の高さから、数多くの建築に使われています。
また使われる素材(例えば木製や金属製など)によっても見た目が大きく変わり、各ニーズに合わせて桁の形状も変化していきます。
訪れた先々でこうした階段の構造の違いを注意深く観察し、今後のために記録に収めていくのも良いでしょう。