建設・建築用語 鉄筋

鉄筋スペーサーとは?目的、間隔(ピッチ)、ドーナツ、ブロック等の種類を解説!

2021年12月16日

鉄筋のスペーサーとは、鉄筋のかぶり厚さを確保するために使用するものです。

鉄筋コンクリート造において、かぶり厚さの確保は、品質を左右する重要なポイント。

鉄筋工事において重要なスペーサーについて、目的や設置基準、種類について解説します。

鉄筋のスペーサーとは?

鉄筋のスペーサは、鉄筋コンクリートの鉄筋工事において、主にかぶり厚さを確保するために、使用されるものです。

素材は主に、金属製、モルタル製、プラスチック製などがあります。

形状、や大きさも設置される場所などによって様々で、種類も多くあります。

鉄筋のスペーサーを設置する目的

鉄筋のスペーサーを設置する目的は2つあります。

  1. 鉄筋のかぶり厚さの確保
  2. 配筋の乱れの防止

それぞれ解説していきます。

鉄筋のかぶり厚さの確保

鉄筋のスペーサーを使用する一番の目的は、鉄筋のかぶり厚さを確保するためということです。

かぶり厚さは、簡単にいうと鉄筋からコンクリート表面までの距離のことで、かぶり厚さが確保されないと、

  • 鉄筋に錆が発生する
  • コンクリートにクラックが入る

など鉄筋コンクリート造の品質低下につながります。

配筋時あらかじめスペーサーを設置することで、型枠からの鉄筋の適切な位置を保持します。

コンクリート打設中も鉄筋の位置をしっかり保持することで、適切なかぶり厚さを確保できるという訳です。

作業時の鉄筋乱れの防止

次に鉄筋スペーサーは、作業時の鉄筋乱れ防止にも役に立ちます。

例えば梁筋やスラブ筋は、配筋作業中やコンクリート打設中にも人が配筋された鉄筋の上を歩行することになります。

スペーサーを適切に設置することで、配筋やコンクリート打設の作業時の、配筋の乱れを防止することができます。

もちろん鉄筋自体にもそれなりの強度はありますが、

  1. 鉄筋は長物が使用されること
  2. 型枠から少し浮いた(離れた)状態で設置されること

から適切な感覚でスペーサが設置され無いと鉄筋がたわんでしまったり、

鉄筋を固縛する結束線がちぎれてしまったりして、配筋が乱れてしまいます。

鉄筋スペーサーの設置基準と間隔(ピッチ)

スペーサーの設置基準や間隔は、部位によってことなります。

以下の表を参照してください。

 

スラブ筋は、人の歩行によって配筋が乱れたり、鉄筋がたわんだりするのでスペーサーの配置には特に注意が必要です。

鉄筋 スペーサー

鉄筋スペーサーの材質

スペーサーの材質には、

  • コンクリート製
  • スチール製
  • プラスチック製

があり、それぞれ使用部位によって使い分ける必要があります。

特に、プラスチック製のスペーサーは、梁・柱・基礎梁・壁および地下外壁の側面に限り使用することができるので注意が必要です。

鉄筋スペーサの種類を徹底解説

鉄筋のスペーサーには、種類が多くあり、用途や使う場所によって、素材や形状

大きさが大きく異なります。

いくつかある鉄筋スペーサの種類についてそれぞれ解説します。

スペーサーの種類

  • ドーナツ
  • ブロックスペーサー
  • パテントスペーサー
  • プレート付きスペーサー

ドーナツとは?

スペーサーの種類でよく聞くものに『ドーナツ』と呼ばれるものがあります。

その名の通り、中央に穴が開いており、丸い形状をしていて、お菓子のドーナツに似ていることからドーナツと呼ばれています。

鉄筋 スペーサー

柱、梁、壁配筋用のスペーサーとして使用し、計量で取付も簡単で、使用頻度が高いことから、多くの工事現場で目にすることがあります。

取付方法は、簡単で円状のドーナツの一部に切れ目があり、そこから鉄筋に掛けて、中央の穴に鉄筋をはめ込むように取り付けるだけです。

 

軽量で取付も簡単なドーナツスペーサーですが、1点だけ注意点があります。

スペーサー設置の注意点

スペーサーは基本的横向き(水平)に設置しないこと。

 

スペーサーを横向きに設置することによって、以下の不具合が起こる可能性があるからです。

  • スペーサーにコンクリートの重量がかかりやすく打設時に外れてしまう
  • スペーサの下部にコンクリートがうまく充填されない

ブロックスペーサーとは?

ブロックスペーサーとはブロック形状のスペーサーで、四角い形状から現場では『サイコロ』とも呼ばれます。

鉄筋 スペーサー

材料はコンクリートで作られているものが多く、剛性や強度が高いのが特徴。

金属やプラスチックに比べて比較的強度は高いですが、重いので作業性はやや劣ります。

 

大きさは種類がいくつかあり、3辺(高さ、幅、長さ)が同じの単純な立方体ではなく、40㎜×50㎜×60㎜など3辺の大きさが違うものが多いです。

 

ちなみに、ブロックスペーサーには、様々なサイズがあるので呼び方もあります。

例えば、40㎜×50㎜×60㎜のブロックスペーサーであれば、

「4・5・6(しごろ)のサイコロ」というようなサイズの頭の数字を取った呼び方をします。

理由としては、3辺が違うことで、スペーサーを設置する向きを変えるだけで色々な寸法のかぶり厚さに対応できるためです。

 

パテント スペーサーとは?

パテントスペーサは、金属製のスペーサーでスラブや梁に使用されます。

鉄筋 スペーサー

金属製でプラスチック製より強度が強く、コンクリートスペーサーに比べて軽量です。

真ん中のくぼんでいるところに鉄筋を流します。

プレート付きスペーサーとは?

パテントスペーサーの1種ですが、他とは違い特殊な場合に使用するのがプレート付きスペーサーです。

プレート付きスペーサーは、断熱材(スタイロフォーム等)などの比較的柔らかいものの上に配筋を行う場合に使用します。

鉄筋 スペーサー

スタイロフォーム上に配筋して普通のパテントスペーサーを使用すると、スペーサーの脚がスタイロフォームに食い込んでしまい、鉄筋が下がってしまいます。

そこでプレート付きスペーサーを使用することで、設置面積を広げ、荷重が分散され、スペーサーがスタイロフォームに食い込むことを防止できます。

スペーサーのサイズと決め方

スペーサのサイズの決め方は、かぶり厚さにと鉄筋の大きさによって決まります。

かぶり厚さは基本的に、柱や梁、壁などの部位によって決められた数値があるので、

決められたかぶり厚さに基づいてスペーサの決定すればよいです。

しかし、注意しなければならないことがあります。

例えば、壁配筋の場合、ドーナツを基本的に横筋に取り付けるのですが、構造設計や壁の種別によって、壁筋の横筋が内側にくる場合と外側に来る場合があります。

この場合、部位は壁でかぶり厚さも鉄筋のサイズも同じだとしても、横筋が内側に来る場合は、縦筋のサイズ分大きなドーナツを使用する必要があります。

鉄筋 スペーサー

このように配筋の位置によってスペーサーサイズが変わってくることもあるので注意が必要です。

注意!スペーサーの防錆について

金属製のスペーサーを使用する場合に注意する場合に、注意が必要なことが錆の発生です。

金属製のスペーサーは錆が発生しコンクリートの表面から錆が見えてしまうことがあります。

コンクリート表面が仕上げになる場所や錆の発生によって不具合が起こる可能性がある場所は、防錆処理がされた金属製のスペーサーを使用するようにしましょう。

まとめ

鉄筋のスペーサーについて解説しました。

鉄筋スペーサーは鉄筋コンクリートの品質を確保するうえでとても重要なものです。

使用する材料や種類、大きさ、設置感覚など注意する点がいくつかあるので、よく覚えておきましょう。

 

 

 

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