転圧とは、土などの材料を締め固めること。
この記事では、転圧の目的や使用機械、施工方法、注意点について解説します。
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転圧とは?
一般に敷均した材料(土砂・アスファルト合材など)に重力や振動エネルギーを与えて、緩い密度の状態から密な状態に締め固めること。
転圧の目的
転圧を行う材料は、粒子・水・空気で構成されている。
機械を用いて転圧する材料に重力や振動エネルギーを加えることで、材料中の水・空気を追い出し密度を高め、圧縮強度及びせん断強度を高めること。
転圧時の使用機械
転圧に使用する機械は、転圧材料・施工面積・必要な締固め度などによって使い分ける。
ランマー
エンジンシリンダーを胴体とし、その下にプレートが付いている。エンジンの反力で本体を跳ね上げ、自由落下の衝撃力で地盤表面を締固める。
狭部の締固めに適している。
振動コンパクター
エンジンの駆動力により、胴体下部のプレートが振動する。重力と振動エネルギーにより、材料の表面を締固める。
狭部の締固めに適している。
振動ローラー(ハンドガイド式)
エンジンの駆動力により、車輪が回転する。重力と振動エネルギーにより、材料の表面及び内部を締固める。
砂利や砂などの粘性の小さい材料に適しており、比較的起振力が大きく、取り扱いには特別教育の修了が必要となる。
振動ローラー(搭乗式)
エンジンの駆動力により、車輪が回転する。重力と振動エネルギーにより、材料の表面及び内部を締固める。
鉄輪ローラーとゴムローラーを前後で組み合わせた機種もあり、比較的広い用途での使用が可能である。
タイヤローラー
エンジンの駆動力により、車輪が回転する。
重力と振動エネルギーにより、材料の表面及び内部を締固める。
一般にアスファルト合材の締固めに使用し、仕上げの締固めに用いられる。
車体前後のゴムタイヤによって広い面積の締固めに適している。
マカダムローラー
エンジンの駆動力により、車輪が回転する。
重力と振動エネルギーにより、材料の表面及び内部を締固める。
車体の前方に2つ、工法に1つ大きな鉄輪が付いている。
一般にアスファルト合材の締固めに使用し、大きな締固め効果が得られる。
ブルドーザー
エンジンの駆動力により、両側の鉄製クローラー(キャタピラ)を回転させて、前後に移動する。
車体前方には排土板が付いており、一般に土砂の敷均しに使用し、機体の重力により締固め効果も同時に得られる。
転圧の施工方法
施工に先立ち、転圧を行う材料の種別(土砂・アスファルト合材など)、状態(粒径・含水比など)、施工箇所の条件(面積・機械の搬入方法など)を考慮し、転圧機械の選定を行う。
所定の締固め密度が必要な場合は、材料の特性試験加えて試験施工を行い、締固め回数を定める。
転圧機械の決定後、所定の締固め密度が得られるよう所定回数の転圧を行う。
施工時の留意点
・材料の含水比が施工含水比内に収まっているかを確認する
・降雨や湧水の浸入により、材料の含水比が変化する恐れがある場合は、所定の締固め密度が得られない事がある
・所定の転圧回数が施工範囲内で均一になるよう、転圧エリア・回数を把握する(過転圧や転圧不足を避ける)
・構造物の端部や狭い場所では小型の転圧機械を併用する
・アスファルト舗装の場合は、継目転圧・初転圧・二次転圧・仕上げ転圧の順に行い、それぞれの段階での適した合材温度の確認をする
・アスファルト舗装の場合、合材温度が高すぎたり過転圧になると、表面にヘアークラックが生じる場合がある
締固め度(現場密度試験)
現場密度試験は、材料(土砂・アスファルト合材など)の密度を把握するために行う試験である。
(例)砂置換法【JIS A 1214】などがある。
主に締固め度を測定するための品質管理を目的として実施され、粒子の緻密さや締まり具合の程度を割合(%)で表したもの。
舗装現場においては、コアを採取して密度測定を行う。