天井や設備を吊るために使用される「インサート」。
この記事では、インサートの目的やピッチ、種類、アンカーとの違いについて解説します。
インサートの設置目的
インサートとは、新築工事においてコンクリート床や梁の下に天井や配管・ダクトなどを取り付けるために、コンクリート躯体に埋設される材料。
女ネジになっており、吊ボルトなどを取付、付属金物を用いて目的の物を取り付けます。
インサートの主な使い方
一般的にはコンクリート打設前に、必要な場所の型枠にインサートを取付けておき、コンクリート打設後に型枠を外せば、女ネジが現れるといった具合です。
インサートは後から位置の修正ができないため、設置するときは正確な位置に取り付けるよう注意が必要です。
また、工夫次第で色々な使い方ができるため、天井面以外に壁面に埋め込むケースもあります。
インサートの種類
インサートには型枠用とデッキ用があるので、使用する場所に適合したものを選ぶ必要があります。
また、使用目的により様々な種類がありますので、長さや径、断熱材の有無や、意匠上にも配慮しながら適切なものを選択しましょう。
施工上の配慮として、工事種別ごとに色違いの物を用意しておくと、現場施工時の間違いを防止することができます。
インサートの設置間隔
天井設置用のインサートの場合は、野縁受のピッチに合わせて900㎜とするのが一般的です。
実際の現場では支障物等により設置しても使えない場合もあるので、部分的に間隔を調整したり、予備を設けておくなどの対策が必要です。
配管やダクト設置用の場合は、配管やダクトルートに合わせて、インサートの許容荷重以下となるよう、適切な間隔を設定します。
インサートとアンカーとの違い
インサートと同様の目的で使用するものにアンカーがあります。
違いはコンクリート躯体に打ち込むか、出来上がった建物の天井や壁に穴を開けて設置するかの違いです。
目的は同じでも、それぞれに一長一短があるので、現場の状況に応じて使い分ける必要があります。
インサートのメリットとデメリット
インサートを使用するメリットは、設計位置に正確に配置できる、複数色あるので建築、電気、空調、衛生工事ごとに識別が可能などがあります。
デメリットとしては、ちゃんと固定していないとコンクリート打設時に位置がずれる恐れがある、躯体に打ち込むため後から位置の修正ができないなどがあります。
まとめ
インサートは、新築工事の躯体に用いられます。
躯体工事の流れを理解しておけば、インサートを設置する時期や位置ズレを防止することができます。
また、インサートですべて対応することは困難であり、現場の状況に応じてアンカーも併用しながら、適切に対処するといいでしょう。