用語の解説 空調工事

静圧とは?静圧の計算方法について分かりやすく解説!

2023年11月14日

静圧とはダクトの表面を空気が押す力の事。

この記事では静圧の意味と計算方法について解説します。

静圧とは

静圧とはダクトの表面を空気が押す力の事です。

ダクトの中に空気を入れる事を考えた際に空気を押しつぶさないとダクトに入りません。

その際にダクトが空気を押しつぶそうとする圧力と、逆に空気がダクトの壁を押す圧力の事を静圧と呼びます。

静圧を単純に解釈すると空気が流れを阻害する為の抵抗の事です

ダクトの静圧(圧力損失)計算方法

圧力損失の計算においては通常はダクト選定図を用いて行います。

ダクト選定図は以下の内容がわかります。

  • 必要な風量を流した際にいくら圧力損失が発生するのか。
  • ダクトサイズは適正なのか。

今回は図表を用いない計算式で静圧計算をしていきます。

直管の円形ダクトの抵抗 △Pt=λ×L÷D(1÷2×ρ×v2)

曲がり部のダクトの抵抗 △Pt=C×(1÷2×ρ×v2)

λ:管摩擦係数

L:ダクト長さ

D:円形に直した場合の直径。矩形はDに換算する

ρ:空気の密度(約1.2kg/㎥)

v:風速

c :局部抵抗係数

λ:管摩擦係数

フレキシブルダクトの場合 0.03~0.04

塩化ビニル管の場合    0.01~0.02

亜鉛メッキ鋼管場合    0.016~0.025

c :局部抵抗係数

0.22

通常のダクトエルボの曲がりであれば0.22を使用します。

曲がりが急な場合は抵抗係数が上がりますが今回は一般的な角度で計算していきます

静圧計算の例題

材質亜鉛メッキダクトダクト、風速4m、サイズ150Φ、直管部10m、エルボ3箇所においてのダクトの静圧(抵抗値)を求めよ。

直管の円形ダクトの抵抗 △Pt=λ×L÷D(1÷2×ρ×v2)

               0.025×10÷0.15×(1÷2×1.2×4×4)=11.2pa

曲がり部のダクトの抵抗 △Pt=C×(1÷2×ρ×v2)

               0.22×3×(1÷2×1.2×4×4)=6.3Pa 

合計静圧(抵抗値) 11.2+6.3=17.5Pa 

静圧の高い用途に用いられる送風機について

送風機を大別すると、回転軸の方向に風を送る軸流送風機と、回転軸と直交方向、外側へと送風する遠心送風機があります。

軸流送風機は昔の家庭の台所でよく使用されていた、有圧扇(換気扇)をイメージしてもらうとよいでしょう。

軸流送風機は静圧(ダクトなどの抵抗)が大きいと風量があまり出せません。

・遠心送風機(ターボファン)の場合、風量5000㎥/min程度あり静圧(抵抗)が6000pa程度あっても風量としては大きく出せる

・軸流送風機(プロペラファン)の風量500㎥/min程度あり静圧(抵抗)が400paくらいでないと風量が出ない。

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