用語の解説 電気工事

電気関係のCTとは?意味や原理、構造、測定精度、使用時の注意点について分かりやすく解説!

CTとは、計器用変流器(Current Transformer)の略称で、電力系統の電流や電圧を測定するために使用される装置のこと。

この記事では、CTの意味や原理、構造、測定精度、使用時の注意点について解説します。

CTの概要

CTとは、計器用変流器(Instrument Transformer)の略称で、電力系統の電流や電圧を測定するために使用される装置です。

高圧や大電流の電力系統に直接接続することができない測定器や保護装置に対して、適切な比例した電流や電圧を供給する役割を果たします。

CTとは?

CTは、一次側に電力系統からの電流を流し、二次側に測定器や保護装置に接続された負荷抵抗に電流を流す変圧器です。

一次側と二次側の巻線数の比によって、一次側の電流と二次側の電流の比が決まります。

CTの原理と動作

CTの原理は、変圧器の原理と同じです。

一次側と二次側の巻線に交流電流を流すと、それぞれの巻線に起電力が発生します。

一次側と二次側の起電力は、巻線数の比に反比例します。

つまり、巻線数が多い方が起電力は小さくなります。

また、一次側と二次側の電流は、巻線数の比に比例します。

つまり、巻線数が多い方が電流は小さくなります。

CTでは、一次側に大きな電流を流し、二次側に小さな電流を流すことで、測定器や保護装置に適した電圧や電流を供給します。

CTの構造と測定原理

CTの構造と測定原理について解説します。

CTの構造

CTの基本的な構造は、一次巻線と二次巻線を持つ変圧器です。

一次巻線は、測定対象の電流を流す回路に直列に接続されます。

二次巻線は、計器や保護装置に接続される回路に直列に接続されます。

一次巻線と二次巻線は、鉄心と呼ばれる磁性体で結合されます。

鉄心は、一次巻線から発生する磁束を集めて二次巻線に伝える役割を果たします。

CTの電流変換原理

CTの電流変換原理は、変圧器の原理と同じです。

一次巻線に流れる電流が変化すると、鉄心に発生する磁束も変化します。

この磁束の変化が二次巻線に起電力を発生させます。

二次巻線に流れる電流は、起電力と二次側の負荷抵抗によって決まります。

一般的に、CTは二次側の負荷抵抗を小さくしておきます。

このようにすると、一次側の電流と二次側の電流の比率はほぼ一定になります。

この比率をCT比と呼びます。

例えば、1000A/5A CTという場合は、一次側の電流が1000Aであれば二次側の電流が5Aになることを意味します。

CTの測定範囲と精度

CTの測定範囲は、一次側の最大許容電流と二次側の定格電流で決まります。

一般的に、CTは一次側の最大許容電流を超えないように選定します。

また、二次側の定格電流は計器や保護装置の入力電流に合わせて選定します。

CTの精度は、CT比が正確であるかどうかで評価されます。

CT比が正確であることは、一次側の電流が正確に二次側に伝達されていることを意味します。

CT比が正確でない場合は、計器や保護装置が誤動作する可能性があります。

CT比が正確であるかどうかは、誤差率と位相差で表されます。

誤差率は、実際のCT比と理論的なCT比の差の割合です。

位相差は、一次側の電流と二次側の電流の位相のずれです。

CTの精度は、用途に応じて国際規格や国内規格で定められたクラスに分類されます。

例えば、測定用CTは0.1クラスから3クラスまで、保護用CTは5Pクラスから20Pクラスまであります。

CTの使用方法

CTの使用方法は、以下の点に注意する必要があります。

・CTは、一次側の電流に合わせて適切なCT比を選定すること。

・CTは、二次側の負荷抵抗を小さくしておくこと。

・CTは、二次側を開放しないこと。二次側を開放すると、一次側の電流に比例して二次側の起電力が高くなり、CTや計器や保護装置に損傷を与える可能性があります。

・CTは、測定用と保護用を混在させないこと。測定用と保護用では、精度や特性が異なるため、誤動作や信頼性の低下を招く可能性があります。

まとめ

CTは、高電圧や大電流の回路において、電流を測定するための装置です。

CTは、一次巻線と二次巻線からなる変圧器であり、一次巻線の電流を比例的に低減させて、計器に適した値に変換します。

CTは、測定範囲と精度に応じて適切な定格変換比と精度等級を選択し、正しく接続して使用する必要があります。

-用語の解説, 電気工事

Copyright© ゼネコン , 2024 All Rights Reserved.