ダクトとは空気が通る風道の事。
この記事では、ダクトの意味や種類と材質、スパイラルダクトと角ダクトの違い、使用される設備について解説します。
ダクトとは
ダクトとは空気が通る風道の事です。
建築でダクトというと通常風道を指します。
換気扇を使用して室内の空気を外に排出する管や、外部から新鮮な空気を取り入れるための管をダクトと呼びます。
電気設備で使用される、電線を集めて束にして通すプラスチックの筒もダクトと呼ばれますが、ここでは換気設備で使用されるダクトについて説明していきます。
ダクトの材質
ダクトの材質には以下の物があります
*亜鉛メッキ鋼板
*ステンレス
*内部が塩ビコーティングされている物
*ガルバリウム鋼板
一般的に使用されるのが亜鉛メッキ鋼板になります。
施工性も良いです。
住宅のトイレや居室の換気扇や学校施設の教室や老人ホームの居室の換気扇から外部に空気を排出するためのダクトにはほとんど亜鉛メッキ鋼板が使用されます。
湿気をあまり含まないと想定される部屋から排出される空気には亜鉛メッキ鋼板性のダクトで施工していきます。
湿気がある箇所にはステンレスダクトを使用します。施工性は悪いです。
主に屋外に露出配管として施工していくダクトにはステンレスを使用していく事が多いです。
内部が塩ビコーティングされているダクト材は主に金属が腐食する可能性がある空気を外部に排出したりする場合に使用されます。
施工性は悪いです。
例にあげるとプールの換気設備のダクト配管には塩ビコーティングされているダクト材が適しています。
ガルバリウム鋼板も使用可能ですが、塩ビコーティングされているダクト材の方が耐久性は良いです。
プールには塩素が含まれている為、亜鉛メッキ鋼板、ステンレス鋼板は腐食していきます。ステンレスでさえ塩素には耐久性が悪いのです。
問題点としては、塩ビコーティングされているダクト材は高価なため、お施主さまと協議しながらガルバリウム鋼板のダクト材を使用するか、塩ビコーティングを施したダクト材を使用するかを決めていきましょう。
スパイラルダクトと角ダクトの違い
スパイラルダクトのスパイラルとは、渦巻き、らせんという意味です。
ですがダクト自体は渦巻きにはなっているわけではありません。作り方は渦巻きという事です。
0.5㎜から1.2㎜程度の亜鉛メッキ鋼板やステンレス板を機械で巻いていきます。
スパイラルダクトは強度もよく潰れにくいです。
角ダクトよりも空気抵抗が少なく、空気の流れは高速になりますが、大風量を送る場合には使用は適していません。
一般的にはスパイラルダクトを使用する場合が多いです
角ダクトは長方形や正方形などに制作して使用します。
アスペクト比と呼ばれるダクトの長辺、短辺の比率があり、空気抵抗の考えから4以上にならないように制作しないといけません。
例えば幅が1000㎜(長辺)高さが250㎜(短辺)ですと1000÷250=4になります。
理想は幅500㎜、高さ500㎜の1に近い方がよいですが、建物の収まりでどうしてもアスペクト比が1にならない場合はアスペクト比が4以上にならないように注意して制作しましょう。
ダクトが使用される設備
ダクトが使用される設備には以下の物があります。
*居室の換気扇ー主にスパイラルダクト使用
*トイレの換気扇ー主にスパイラルダクト使用
*キッチンの換気扇ースパイラルダクト、角ダクト使用
*厨房の排気ファンー主に角ダクト使用
*プールの排気・給気ー主に角ダクト使用
*大型施設の給気・排気ー主に角ダクト使用