仕上工事 用語の解説

コーキングとは?意味、目的、適用箇所、注意点を徹底解説!

2022年6月13日

この記事ではコーキングの意味や目的、適用箇所、注意点などを解説します。

コーキングはあまり目立たない存在ですが、建築物にとってとも重要な役割を果たします。

コーキングとは?

呼び名

建設現場では、コーキングのことをシーリングとも呼びます

実務レベルで厳密にその違いを分かって使い分けている人はほとんどいません。

コーキング(シーリング)のことをシールと省略することもあります。

コーキングを必要とする場所の多くが狭く細いところが多いため、コーキングを「充填」するという表現をします。

コーキングの規格

現在、建築用のコーキング材は日本工業規格でJIS A 5758に規定されています。

コーキングの素材及び分類方法

通常はチューブ容器に入っており、専用の押出し機であるコーキングガンを用いて施工する樹脂性の材料をコーキング材と呼びます。

樹脂の主成分は、使用する場所によって異なり、建築用では主に4種類に分類されます。

シリコーン系、変性シリコーン系、ポリウレタン系、アクリル系です。

コーキングの適用箇所と選び方

コーキングを必要とする場所を被着面と呼びますが、被着面が金属、石、ガラス、コンクリートなど様々なため、それぞれの特性に合わせたコーキング材を選定する必要があります。

シリコーン系は、浴槽や流し台などに向いています。

コーキング材の上から塗装することはできません。

変性シリコーン系は、外部建具周りやコンクリートのひび割れ補修、外壁の目地などに使用されます。

コーキング材の上から塗装することも可能な万能型ですが、シリコーン系よりは耐久性が劣るため、適材適所の使用が求められます。

ポリウレタン系は、コンクリートのひび割れ補修や金属目地や通気・排気口周りに使用されます。

密着性が高いが、紫外線に弱いため、コーキング充填後に上から塗装する必要があります。

アクリル系は、外壁ボードや内壁の目地に使用されていましたが、耐久性が低いことから、近年ではあまり使用されていません。

コーキングの目的とは?

コーキングの主な目的は、大きく分けて3点あります。

1つ目は防水性・気密性を高めること、2つ目は材料同士のクッション材として、3つ目に接着剤としての役割もあります。

コーキングの形状は2種類

決まった形がある定形材と、固まるとゴムのように弾性のある不定形材の2種類があります。

不定形材の中には、コーキングガンで充填後に自然と硬化するものを「1液型」と呼び、専用の硬化剤を混ぜないと固まらないものを「2液型」と分類されています。

コーキングが必要場所とは?

外壁

外壁目地に用いるシーリングはクッション材としての役割があります。

例えば、コンクリート打放しの面も3m間隔で15mm程度のコーキングを行います。

ひび割れなどを目地の部分に集中(吸収)させる目的があります。

コーキング目地のないコンクリート打放し面はひび割れだらけになってしまいます。

他に、押出成形セメント板やサイディング材などの外壁ボードによる目地もコーキングを行います。

地震による変形によって、外壁ボードがお互いにぶつかり合わないために使用します。

建具周り

外部建具周りのコーキングは防水性・気密性を高める目的があります。

コーキングとは

内部と外部の境界部分になるため、防水性をより高める目的で、2重でコーキングをする場合があり、実務では「2重シール」と呼んでいます。

2重シールの場合は、1回目と2回目が接していると意味がないため、それぞれに隙間をあけたり、角度を変えるなど、水が侵入する経路に2度コーキング材を充填します。

水回り

キッチンや洗面、浴室などの水廻りにはコーキングは欠かせません。

目的は水の侵入を防ぐ防水性を高めることです。

キッチン台と壁の取合い部や、洗面台と壁の取合い部、浴室では浴槽と壁の取合い部に行います。

ガラス面

ガラス張りの建物の場合、ガラスとガラスの間には防水性、クッション性、接着材の全ての目的からコーキングが使用されます。

ガラス同士が接してしまうと、割れてしまうため、ガラスの小口面同士をコーキング材で塞ぎます。 

一般的には白いものが多いですが、被着面の色と合わせて、多様な色のコーキング材があります。

コーキングの注意点

施工方法

コーキングを行う時の注意点は、被着面の状態です。

密着しないと防水機能や気密機能が得られないため、被着面にしっかりと密着している必要があります。

一般的な方法では、被着面を綺麗に清掃し乾燥した後でプライマーと呼ばれる接着力を高める材料を塗ってからコーキングを充填します。

また、コーキングをどの程度充填する必要があるかも重要なポイントです。

実務経験上では、被着面に接している面が少なくとも10mm以上の幅がないとすぐにコーキングが切れてしまいます。

経年変化

特に不定形の弾性コーキングは防水性を高めるために用いられますが、防水効果が何十年も期待できるわけではありません。

コーキングも経年変化によって固くなると割れてしまい、水が浸入してしまいます。

主成分の種類にもよりますが、5年、10年スパンでコーキング材を打ち直す必要があります。

公共工事標準仕様書に’おけるコーキング

呼び名

公共工事を行う際に一般的な内容を仕様書としてまとめられ、品質を担保していますが、公共工事標準仕様書では「シーリング」と記載されています。

品質を守る重要な役割

公共工事標準仕様書で記載されているシーリングは、防水工事の章に分類されており、とても重要視されています。

デザイン的に目立たせたくないコーキング(シーリング)ですが、コーキングのない建築物は世の中に一つもありませんので、とても重要な役割を担っています。

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