用語の解説 設計図

基礎伏図とは?意味や示されるもの、見方を分かりやすく解説!

基礎伏図は伏図の中の図面の一種で、建物を地盤から支える基礎の部分を上から見下ろした形で図示するもの。

この記事では、基礎伏図の意味や示されるもの、見方を解説します。

基礎伏図の意味

建物において、自立して、内・外部からの様々な力に対して壊れないように支える部分を、基礎を含めて構造体又は構造躯体といいます。

この構造体の設計で作成される図面(構造図)に伏図があります。

構造図における伏図は、建物を支える水平方向にある構造体をそれぞれ一つの平面上で表す設計図面であり、一般に構造体の各層を上から見下ろす形で作成されます。

基礎伏図は伏図の中の図面の一種で、建物を地盤から支える基礎の部分を上から見下ろした形で図示するものであり、一般的に1/100又は1/50の縮尺で作成されます。

また基礎伏図は、建物の平面形が現れた比較的見やすい図面であるとともに、建物の重要な構造体である基礎の構造を理解する上で重要な図面です。

なお基礎伏図は、鉄筋コンクリート造、鉄骨造を含む大方の種類における建築構造体の設計で作成される図面です。

そこで以下においては、最も身近で分かり易い、わが国の伝統的な木造軸組み工法の設計図で作成される基礎伏図を例にして解説するものとします。

基礎のタイプと床下部分の働き

建物における基礎の構造は、地耐力などの地盤条件と基礎以外の建物構造体の条件を総合的に勘案して決められます。

木造軸組み工法で設けられる主な基礎には「布基礎」と「ベタ基礎」があります。

布基礎は土台下の立ち上がりとフーチングを土台に沿って線状に設けるものであり、ベタ基礎は土台下の立ち上がりと床スラブを面状に一体化して床下部分をピット状にするものです。

一方で、建物の床下部分には一般的に次のような働きが求められます。

  1.  地面からの湿気防止と通風性の確保
  2.  給排水衛生設備のための配管
  3. 床下収納等の設置
  4. 床下点検のための人の通行

基礎は重要な構造体であるとともに、あわせて床下部分を形づくるものでもあります。

近年、地震を含め様々な地盤条件への対応、並びに前記➀~④のような床下部分に求められる働きなどから、適応性の高いベタ基礎が比較的多く用いられるようになっています。

基礎伏図で示されるもの

木造軸組み工法による、ベタ基礎を例とした基礎伏図には、基礎の部分を上から見下ろす形で、通常次のような事項と内容が一つの図面に示されます。

土台を載せる立ち上がり部分

 立ち上がり部分の厚み アンカーボルトの位置 換気口や通風口の位置 人通口の位置 配管用スリーブの位置 通気用基礎パッキン(*)の配置など (*)パッキン設置の場合、通常換気口や通風口は設けないことが多い。

床スラブ部分

立ち上がり部分で囲まれたスラブ(鉄筋あり) 防湿シート スラブからの立ち上がり配管の位置 

建物の通り芯線

建物の横(X)方向及び縦(Y)方向の通り芯線 通り芯線間の長さ

基礎伏図の見方

基礎伏図では、構造体の一部としての基礎のタイプと基礎についての各部の設計内容を読み取ることができます。

あわせて、次のように他の図面とも照合して基礎の設計をより詳しく理解し把握することも重要です。

(平面図等と照合して)

外周壁、間仕切り壁と基礎(立ち上がりの部分)の配置 床スラブ部分の湿気防止策 人通口の場所など  

(土台伏図と照合して)

アンカーボルトの設置位置 土台に敷く基礎パッキンの配置など

(軸組図と照合して)

人通口の位置と柱の位置(両方が揃わないことが望ましい。)

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