用語の解説 設計図

6尺とは?意味や長さ、使われ方、間(けん)との関係について分かりやすく解説!

「6尺」とは、伝統的に使われてきた長さの単位系である「尺」の1尺の長さを6倍にした長さのこと。

この記事では、6尺の意味や長さ、使われ方、間(けん)との関係について解説します。

「6尺」の意味

「6尺」とは、伝統的に使われてきた長さの単位系である「尺」の1尺の長さを6倍にした長さを指します。

なお、我が国で使われてきた「尺」には曲尺(かねじゃく)と鯨尺(くじらじゃく/曲尺の1.25倍が単位)がありますが、一般的には曲尺によるものを指します。 

「尺」とは、我が国を含む東アジア地域で古くから使われてきた長さの単位系の一つであり、長さを含み広さ、体積、重量を示す単位の体系は「尺貫法」と呼ばれ、尺の単位はこの尺貫法の体系のもとで使用されてきました。

 「尺貫法」は、中国を起源として我が国や東アジア地域で古くから用いられてきた単位の体系(度量衡)です。

ただし、その中の重量の単位はわが国独自に「貫」(中国では斤)を用いており、尺貫法という名称は、厳密にはわが国固有の単位体系を指すものとされます。

 「6尺」など、長さの表示を含む尺貫法による単位の体系は、1960年代までに取引や証明に用いることは禁止され、国際単位系のメートル法に統一されました。

一方、わが国では伝統的に建築を始め生活文化全般に尺貫法が用いられ、歴史的にも計量における基盤的な機能を果たしてきたことは事実であり、その点で、計量法に違反しない取引や証明にあたらない計量の場面においては、根強い慣習として現在でも使われています。

 6尺の長さ

尺の単位の換算については、我が国がメートル条約に加盟した際に「1尺=10/33 m」と定められました。これにより1尺は「10/33 m≒30.303cm」であり、6尺の長さは「10/33 m×6=60/33 m≒1.8182 m」となります

なお、この6尺の長さを尺の単位系では「間(けん)」といい、その10倍の60尺(10間)は「町」といいます。

建築における6尺と間(けん)

  我が国では住宅を始めとする建築において、伝統的に「尺モジュール」が使われてきました。

建築のモジュールとは、設計する上で基準とする基本的な寸法のことをいい、尺モジュールとは、一般的に3尺(0.91m)四方の大きさを一つのグリッドとして、その平面上に建物を計画するものです。

ちなみにメーターモジュ-ルとは1.0m四方を一つのグリッドとするものです。 

一般的な尺モジュールで住宅等を建てる場合、3尺(0.91m)四方のマス目の交点に柱が配置され、柱と柱の間に壁や開口部が設けられます。

そこで、尺を単位系として平面的な間口や奥行きなどを示す場合には、例えば間口5間(30尺)、奥行き3間(18尺)などというように、3尺の2倍である6尺の「間」が単位として使われてきました。

一方、尺を単位系として建物の立体的な高さを示す時は、例えば天井の高さは9尺(2.73m)、2階の階高は12尺(3.64m)などと、「間」は用いずに全て「尺」を単位として表示します。

例えば人の身長を5尺8寸(約1.76m)、高さ5尺(約1.52m)のタンスなどといった、一般的なものの高さを表示する場合と同様に尺が使われました。 

平面的な長さは「間」を使い、高さには「尺」が使用されてきたことが建築における尺貫法の一つの特徴といえます。

「6尺」の使われ方

「6尺」が、特定の物の長さを指すことの他、物の名称にもなっている例に次のものがあります。

  • 6尺棒 ― 長さ6尺程で樫などの堅い木材で作った防犯、護身などに用いる棒
  • 6尺褌 ― 長さが6尺程で巾が1尺程のさらしの布を用いた和式の下着
  • 6尺脚立― 6尺程の高さの金属製の脚立
  • 6尺筝 ― 長さ6尺程の桐材などで作られた琴(邦楽器)

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