法面とは、地盤および地山において、傾斜している面のこと。
この記事では、法面の意味、読み方、計算方法、建築物との関係について解説します。
法面の意味
地盤および地山において、傾斜している面のことを「法面」といいます。
水平な地盤上に、盛土を形成してできた傾斜面も法面に該当します。
法面は、一般の人にとってあまり馴染みのない単語かと思われるかもしれませんが、土木および建設業の世界では、重要な要素となりますので、しっかりと押さえておきましょう。
法面の読み方
法面は「のりめん」と読みます。
「ほうめん」と読みたくなりますが、注意が必要ですね。
また、法面における傾斜面と最上部の面が重なる点を「法肩(のりかた)」、
傾斜面と最下部の面が重なる点を「法尻(のりじり)」といいます。
法面の勾配
法面における勾配とは、傾きの程度のことをいいます。
その表記方法としては、法面の高さと底辺の比が用いられ、1:1、1:2のように表記されます。
左の数字(高さ)は常に1を基準としており、これに対して右の数字(底辺)が大きくなるほど勾配が緩やかになり、反対に小さくなるほど勾配が急になります。
他の表記方法としては、パーセント表記(水平面長さに対する高さの度合い)や角度表記(水平面長さと斜面の角度)によるものもあります。
前者は主に道路勾配で、後者は階段勾配で表記されることが多いです。
しかし、法面を扱う場合は、基本的に比率による表示方法が一般的であると考えてもらって構いません。
法面の計算方法
法面の傾きは、(水平面長さ2+高さ2)と、三平方の定理で求めることが出来ます。
また、水平面(底面)長さが分からない場合は、斜辺の長さ × cosθ、 高さが分からない場合は、斜辺の長さ×sinθで求めることが出来ます(θは勾配角度を表します)。
法面と建築物の関係
冒頭では、傾斜している面のことを法面と述べました。
しかし、木材・鋼材・その他の人工物等で構成された建物による傾斜面(屋根やスロープ等)は、法面に該当しません。
あくまで地山や地盤等の、土による物の傾斜面を指しますので、注意が必要です。
法面崩壊の原因
法面が崩壊する原因としては、
盛土材料の締固めが不十分であることや、雨水の吸収によって盛土が膨潤すること、地山の土質や条件によって、仕上げる盛土の高さや勾配値に制限が設けられます。
法面の崩落を起こさせないための対策としては、予め地質調査を行い、その土質が建築物を十分に支えるだけの支持力を有しているかを確認する必要があります。
十分な支持力の確保が困難な場合には、締固めや土に対して硬化剤を施すなどの方法が有効でしょう。