『現場監督の仕事』シリーズ総合仮設図についてです。
総合仮設図とは?
『総合仮設図』とは読んで字のごとく、建物を完成させるためにその現場に必要な仮設設備を総合的にまとめたものです。
建築される建物についてはゼネコンマン(現場担当者)が設計することはないので、基本的に変える事はできません。
しかし、仮設設備を計画することについては現場担当者の工夫で良くも悪くもなるとても重要でやりがいのある仕事の一つです。
総合仮設図を作成する際にいくつか重要なポイントがあります。
・安全に作業できる総合仮設図となっているか
・実際に作業する職人さんたちが作業しやすい総合仮設図となっているか
・絵に描いた餅のならず、実際に実現できる総合仮設図になっているか。
無駄なものを使わない事、職人さんの作業しやすい仮設を計画する事で歩掛りを上げることに繋がり工事費にも直結していきます。
総合仮設図を書く目的は?
建物を建設するにあたって、必要な仮設設備はたくさんありますが、それを現場担当者だけが分かっていても意味がありません。
現場担当者がいろいろ考えて、頭に浮かんだものをアウトプットし、職人さんや現場の従業員と共有することで、その仮設計画は生きてきます。
このように現場担当者の頭の中にある仮設計画を共有するために図面にまとめていく。
それが『総合仮設図』になります。
さらにただ図面化するだけではなく、その仮設設備が実際に設置できるか、より効率的なものになっているかを検証するために建物と一緒に実際のスケールにして書いていきます。
総合仮設図には何を書けばいいのか?
これは現場担当者やその現場によって様々です。
特に決まりは無いです。
しかし、基本的に様々な観点から検証することがとても重要なので、計画されているものは、網羅することが良いと思います。
それでは、仮設計画に書き込む内容について一つずつ見ていきたいと思います。
仮囲い
設置位置、高さや種類は?
当然ですが、建物と干渉しない位置に設けます。また、建物と干渉しなくても工事の邪魔になっては元も子もありません。
また工事をする場所によって高さや種類も変わります。
たとえば街中で人通りの多い場所では、
安全面や見た目の綺麗さも考慮して、フラットパネル(工事現場でよく見る白い金属製の板)を使いますし、
あまり人通りもなく周りに何も無いような場所では、フェンスを仮囲いとする事もあります。
どこで何を使うかの決まりは無いので、現場マンのセンス次第という事になります。
ゲート
設置位置、幅や種類は?
まずどこに何ヶ所ゲートを設置するかを決めなければなりません。
建物を建てる位置と搬入ヤード、道路の位置を考慮して決めていきます。
敷地に余裕があるようであれば、道路に面している箇所に一つ以上は設けて、in・ outを分けると車両がスムーズに出入りできたりします。
次にゲートの幅ですが、これは搬入されるであろう車両の最も大きなもの(トレーラー等)が入ってこれるように決めなければなりません。これは頭で考えても難しいので、CAD場に車両軌跡を書いて検証するといいです。
事務所
設置位置、大きさは?
まずどれくらいの大きさが必要でしょうか。これは建物の規模で変わってきますが従業員は何人常駐するか?
などを考慮して決定します。
ここで敷地と建物の関係によっては、現場内に設置できない場合もあります。
そういう場合は場外の近くのオフィスなどを借りて事務所とします。
まとめ
まだまだ、総合仮設図による検討内容はありますが、実際に現場でやってみて覚えていくことが一番分かりやすいので、細かい解説はこの辺にしておきます。
『総合仮設図』は現場を進めて行くうえでとても重要なものになります。
しっかり検討していれば、現場をうまく進める事ができます。
というわけでゼネコンマンの仕事の一つの紹介でした。