アスファルトプライマーとは良質のアスファルトを揮発性溶剤に溶解したもので、アスファルト防水工事等に使用される。
この記事では、アスファルトプライマーの目的や使用される防水工事、施工上の留意点について解説します。
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アスファルトプライマーとは
アスファルトプライマーとは、良質のアスファルトを揮発性溶剤(常温・常圧で液体から気体に変化する溶剤)に溶解したもの。
コンクリート構造物に対するアスファルト防水工事の下塗りとして使用される。
アスファルトプライマーが使用される防水工事の種別及び特徴
アスファルトプライマーは、防水仕上げの種別・工法、下地の種別・状態、対象となる構造物の立地条件、施工季節などに応じて選定する。
アスファルト防水
加熱溶融したアスファルトで防水材を張り付け、冷えると硬化して防水層を形成させる工法。
現場で専用釜を灯油バーナーなどで熱して液状に溶融されたアスファルトは、防水材を張り付けた後、短時間で硬化し、防水層を形成する。
アスファルト防水の特徴
- 養生時間や養生期間が必要なく、防水層を容易に作ることが可能
- 施工中は溶融したアスファルトの異臭や煙を放つため、周辺環境への影響について対策が必要
- 溶融温度が220℃~270℃と高温であり、作業中は火傷への注意が必要
- 防水層の上に押さえコンクリートが施工可能
改質アスファルトシート防水(トーチ工法、冷熱工法)
改質アスファルトを原料としたシートを、裏面に付いているゴムアスファルトの粘着材で貼り付ける工法。
改質アスファル トを原料としたシートで、その裏面をトーチバーナーで炙あぶって溶融して貼り付ける工法の二種類がある。
改質アスファルトシート防水の特徴
- 加熱して下地に張り付けるだけの簡単な作業で容易に防水層をつくることが可能
- 加熱不足などの施工不良による早期劣化や雨漏りなどの不具合が生じやすい
- コストパフォーマンスに優れているが、作業者のスキルよって防水性能や耐久性にバラツキが生じやすい
その他
防水工にはアスファルト防水のほか、シート防水(合成ゴム系、塩化ビニル系)・塗膜防水(ウレタン、FRP)などがある
施工時の留意事項
- アスファルトプライマーは、防水仕上げの種別・工法、下地の種別・状態、対象となる構造物の立地条件、施工季節などに応じて、防止工と合わせて適切な種類を選定する
- アスファルト防止工施工にあたって、施工時の気象条件(降雨・気温など)を把握し、防止工の品質性能に影響を与えるおそれがある時は、施工をしない
- アスファルトプライマー塗布前には、予め下地表面の汚れや雑物を完全に除去する
- アスファルトプライマー塗布前には、ブロアーなどで下地を十分に乾燥させる
- 下地にひび割れなどの異状がある場合は、その部分の補修を先に行う
- アスファルトプライマーは、所定の量(例えば0.2kg/㎡)になるよう、できるだけ均一に塗布する