参考
・ゼネコンって残業が多いの?
・何時から何時まで働くの?
・ゼネコンの残業が多い理由は?
私も学生時代の就活の際にとても気になっていたゼネコンの残業時間。
就活では、あまり悪い印象を与えたくないのか、残業時間について詳細な情報を手に入れることができません。
建設業界、ゼネコンで10年以上働く私が実情・経験も踏まえてゼネコンの残業時間について解説します。
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ざっくり大手5社の退社時間
大手5社の採用ホームページで書かれている社員スケジュールの退社時間についてまとめてみました。
これを見ればざっくりゼネコン若手社員の方の残業時間がイメージできます。
ホームページ記載の建築施工系で一番若手の方の例です。
大成建設
記載なし
鹿島建設
21:00 繁忙期にはこの時間になることもあります
清水建設(女性)
19:30 友人と食事やジム
大林組(女性)
20:00 業務が残っていれば残業
竹中工務店
18:00 帰宅
これを見て気づくことは。意外と会社や個人によってバラバラということですね。
(女性の方の記載がありましたが、最近は女性の現場管理の方がとても増えてきています。)
そして、これを見て私が思うことは
どの人も間違ったことは書いてないと思います。
なぜならゼネコンの残業時間はとても波がありどの1日を切り取るかで大きく変わります。
その理由について説明していきます。
現場の残業には波がある理由
残業に波がある理由
- 工事内容や規模
- 工期や工程によって
- 現場社員の数
工事内容・規模によって
会社によって大きく変わることはありませんが、工事内容や規模、現場の難易度など様々な条件によって残業時間に波があります。
規模が大きいと、職人さんも多くなり、現場管理業務も忙しくなりますし、書類などの量も増えてきます。
もちろん、規模によって常駐する社員は増えるので一概には言えません。
工程・時期によって
現場の工程によっても波があります。特に竣工前などは忙しくなることが多いです。
現場が進むと躯体工事だけでなく多くの職種が入ることになり、現場管理業務が増えていきます。
現場社員の数
現場に常駐する社員の数も現場によってさまざま、基本的には現場の規模によって割り振られると思いますが、社内の状況によっては、少ない人数で対応しないといけない現場も出てきます。そうすると、もちろん一人あたりの仕事量も増えてくるので、残業も多くなります。
このように、現場の残業時間には波があります。上記大手5社の退社時間にみられるようにどの時期を切り取るかによってばらつきがあるということですね。
残業が多いのはそもそも法的に多くの残業を許されているから
建設業といえば36協定が適用除外となる業種の一つということは皆さん知っていましたか?
実際建設業界の36協定はどうなっているのかをまとめてみました。
労働基準法第32条(労働時間)
使用者は、労働者に休憩時間を除き1週間について40時間を超えて労働させてはなりません。 また、使用者は、1週間の各日については、労働者に休憩時間を除き1日について8時間を超えて労働させてはなりません。
上記のように労働基準法では1日8時間、1週間40時間を超えて働かせてはならないことが規定されています。
しかし、36協定(労働基準法第36条)において
労使協定を締結して、これを労働基準監督署に届け出れば、1週40時間、1日8時間を超えて勤務させることができ、休日出勤も可能になることが定められているのです。
その延長時間(残業時間)にも以下の限度があるので注意が必要です。
このように36協定上では1ヶ月45時間が残業時間の限度になるということです。
さらに特別条項付き協定というものがありまして、臨時的に上記の限度時間を超えて、時間外労働を行わなければならない特別の事情が予想される場合には、限度時間を延長することができるという協定になります。
36協定について長々とまとめましたが、建設業はこの延長時間の限度が適用されません。
法律でそのように定められているのです。
なぜ建設業は36協定除外対象なのか
簡単に言うと36協定をきっちり守ることは不可能だからです。
36協定の対象にしようとすると建設業は業界として成り立たない理由がいくつかあります。
- 土曜日・祝日も工事は進む
- 工期が定められている
- 仕事の繁忙度に波がある
- 受注にも波がある
- 天候などによる影響を受ける
などなど
このように36協定の中では納められない理由があるので、36協定の対象外になっています。
なぜ残業するのか?
やる事がたくさんあって忙しいのは
どの業種でも同じのはず。ではなぜ残業するのか...
① しっかり自分の仕事に集中できる時間は職人さん達が作業を終えてから
計画性が無いと言えばそれまでですが、
現場は常に動いているため、何かしら問題が発生します。現場マンはその度に現場に出て対応しなければなりません。
つまり作業が終わる17時までは、現場に手を取られてしまい、そこからが勝負というわけです。
②明日の準備
先ほど現場は常に動いていると書きましたが、明日の準備・段取りは欠かせません。
朝礼の準備や打ち合わせの準備など。
これを明日に回そうと思うと、うまくいきません。
先ほども書いたように現場ではいつ何に手を取られるか分からないからです。
まとめ
私の経験からまとめると、他の業界のことは詳しくわかりませんが、残業はとても多い業界なのは間違いないですね。
なぜなら、法律がそうなってます。。。
私の退社時間は入社してから特に変わらず 18:00〜24:00ぐらいで、現場や工程、時期によってばらつきがあるという感じです。
残業時間についてはこれからの働き方改革で、改善されていくことを期待したいと思います。
ゼネコンのことがもっと気になるという方はこちらをご覧ください。
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