用語の解説 設計図

建築図面の仕上表とは?目的や内容について分かりやすく解説!

2022年12月29日

この記事では、建築図面の一部である仕上げ表について解説します。

建築仕上表とは?

仕上表とは、建築物の屋根や外壁、内装、外構等の仕上げに関する項目が記載されている図面です。

 また、建築物の概要や住所も記載されているため、仕上表のみで建築物の概略が分かります。

仕上表の必要性

仕上表には建築物の箇所ごとに、仕上げ物の色や品番、施工方法、下地の種類や材質、天井高、付属品等、平面図や断面図では表現しきれない事項が記載されています。

仕上表は、建築物を建てるうえで重要な図面です。

仕上表に記載される内外装仕上げの種類

 内外装仕上げは主に下記のような項目や種類があります。

屋根

RC造の場合、屋根防水の種類、工法、断熱仕様、ドレン径、勾配が記載されています。

主な工法としては、アスファルト露出断熱防水、シート防水、ウレタン塗膜防水等があります。

アスファルト露出断熱防水の場合は、断熱材の厚みや断熱性能が記載されています。同等以上の性能を持つ工法、材料を選定しましょう。

S造の場合、鋼板の種類、材質、色、断熱仕様、下地が記載されています。

主な材質として、カラーガルバリウム鋼板、トタン、瓦があります。

鋼板の厚みや葺き方等も記載されているので、よく確認しましょう。

外壁

タイルの種類、サイズ、下地が記載されています。

主な材質としては、磁器質タイル、陶器質タイル、石器質タイルがあります。

貼り方、形状としては、45二丁(三丁、四丁)、イモ貼り、ウマ貼り、ボーダータイル、大判タイルなどがあります。

タイル下地は主に、コンクリート素地を用います。付着が悪くなるため、左官補修はタイル下地には行いません。

塗装

塗装の種類、仕上げ、下地が記載されています。

塗装の種類としては、吹き付けタイル、吹付けリシン、マスチックローラー等があります。

下地は主にコンクリート下地、ALC下地、ケイカル板下地を用います。

下地の凹凸が塗装面に現れるため、特にコンクリート下地の場合は左官補修を行い下地を平滑にします。

内装

内装仕上げ材の種類、下地が各部屋でそれぞれ記載されており、主な仕上げ材は下記のとおりです。

内装壁

クロス、キッチンパネル、石膏ボード素地、各種タイル

内装床

フローリング、クッションフロア、塩ビシート、タイルカーペット、各種タイル、モルタル仕上げ

内装天井

クロス、化粧ケイカル板、化粧石膏ボード(化粧ボードはサイズや貼り方も記載されています。)

巾木

木製巾木、タイル巾木、ソフト巾木(H=40等高さも記載されています。)

主な下地の種類

石膏ボード下地(厚み)、ケイカル板下地(厚み)、コンクリート下地、パーティクルボード下地

外構仕上げ

外構とは、主に建築物の外部において、地盤面高さの仕上げ範囲です。

外構仕上表に表される項目については、主に以下のような箇所があります。

駐車場、駐輪場、エントランスアプローチ、ゴミ置き場

外構舗装材

外構舗装材の種類は以下のような種類があります。

・アスファルト舗装、コンクリート舗装、タイル、芝敷き

外構付属品

外構付属品には主に以下の項目が記載されています。

排水溝、排水桝、浄化槽、受水槽、キュービクル、ペット足洗い場、フェンス、擁壁

仕上表の天井高さについて

仕上表には、各部屋の天井高さがCH=2400等で記載されています。

折り上げ天井がある場合や、天井が斜めになる場合など、複数のCHが記載されている場合もあるので、平面図や断面図と照らし合わせて確認するようにしましょう。

仕上表の備考欄の重要性

備考欄には、特に付属品や特殊な仕上げ物等、平面図や断面図では表しきれない項目が記載されています。

付属品のメーカーや品番が記載されていることもあるため、細かい部分までよく読むようにしましょう。

また、設計図は施主の要望に沿って作図しますが、仕様変更に伴い仕上表と設計図で相違が発生する場合もあります。

必ず確認を行った上で施工するようにしましょう。

仕上表に記載のある準不燃、不燃番号、ホルムアルデヒド建材種別について

仕上表には石膏ボードやクロス、塗料等の準不燃、不燃、難燃番号が記載されています。

使用する材料が不燃等級等を獲得していない場合、消防検査に通らなくなるため、使用する材料に求められている等級をよく確認し、適切な材料を選定しましょう。

また、ホルムアルデヒド建材種別についても、必要等級が求められる場合があります。

第1種(表示不可)、第2種(F☆☆)、第3種(F☆☆☆)と規制対象外となるF☆☆☆☆があります。

第1種は現在は使用禁止となっており、第2・3種については使用面積が制限されます。F☆☆☆☆材料を使用する場合は使用面積の制限はありません。

こちらも不燃等級同様、適切な材料選定を行うようにしてください。

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