用語の解説 鉄筋コンクリート造

生コンとは?モルタル、コンクリートとの違い、種類、管理方法、JIS規格について分かりやすく解説!

2023年2月15日

生コンとは、水+セメント+骨材+混和剤からできた、固まる前のコンクリートの事。

この記事では、生コンの意味や種類、管理方法、JIS規格、モルタル、コンクリートとの違いについて解説します。

生コンとは?

「生コン」とは水+セメント+骨材+混和剤からできた、固まる前のコンクリートの事です。

英語ではフレッシュコンクリートといいます。

コンクリートのメリットの1つは、形が自由に変形できることです。

生コンの状態であれば、型枠に流し込むことで自由な形を作ることができるため、生コンは様々な場所で使われます。

使用される箇所は、建物の基礎部分や躯体と呼ばれる建物本体です。

生コン製造工場でつくられ、ミキサー車で現場まで運搬され、ポンプ車等を使用して打設を行います。

生コンの材料

生コンに使われる基本的な材料は、骨材(砂や砂利)、水、セメントです。

骨材(砂、砂利)はコンクリートの70%~80%の体積を占め、硬化後のコンクリートの強さ、耐久性を決める材料です。

セメントは結合材とも呼ばれ、骨材同士を結びつける材料です。

セメントは水と反応しやすい性質を持っており、水と反応し水和物を生成することで、骨材同士を結びつけ、強度を発現します。

生コンとモルタル、コンクリートの違い

生コンは水+セメント+骨材+混和剤から出来たもので、生コンが固まったものがコンクリートです。

モルタルは水+セメント+砂(砂利)で出来ていますが、しっかり固まるのですがコンクリートに比べると強度が落ちるので、構造体としては使用出来ない為、使用する箇所が限られています。

生コンの品質管理方法

製造工場で行う検査と、現場での受け入れ検査によって生コンの品質管理を行っています。

工場で検査を行う場合、使用する材料と出荷時にJIS規格に照らし合わせて行います。

現場での検査は、受け入れ検査と呼ばれ、スランプ・空気量・塩化物を検査員が指定された数値になるか、現場管理者とともに行います。

打設箇所によっては、圧縮強度試験が必須になるので、現場に納入したコンクリートを持ち帰り、状況に応じて圧縮試験を行います。

生コンのJIS規格

使用する材料(セメント、骨材、混和剤)や、製造ライン・運搬設備がJIS規格に沿った設備なのか、各項目ごとにチェックされています。

使用する材料が規格品でも設備が規格外であれば、JIS規格品ではなくなってしまいます。

現場に納入された際、ミキサー車の運転手から納品伝票を受け取ります。

材料や設備に問題がなければ、工場名の横にJISマークが記載されているはずなので、確認してみましょう。

生コンの種類

流動化コンクリート

流動化剤(高性能減水剤)を混ぜて単位水量や単位セメント量を変えずに施工しやすいようにしているコンクリートのことです。

高層ビルやプレキャスト製品(工場などであらかじめ製造された物)などに利用されています。

高流動コンクリート

プレキャストコンクリート製品工場や障害物がある場所などには、高流動コンクリートが利用されています。

流動性が高いのでバイブレーターによる、締め固めが要らないという特徴があるので、締固め不要コンクリートとも呼ばれます。

高強度コンクリート

普通コンクリートより強度の高い(呼び強度が50か55もしくは60のコンクリート)コンクリートのことをいいます。

特徴として使用するセメントの量も水分量も少なくすみ、そのため高い強度と耐久性を持っています。
高い強度が必要な橋梁や超高層マンションに使用されています。

舗装用コンクリート

丈夫でメンテナンス費用が安く済むためアスファルトではなく、舗装用のコンクリートが用いられる事もあります。

躯体などの複雑な形状の構造体の中に流し込む必要性がないので、通常の水分量よりも少なく硬練りで施工されます。

軽量コンクリート

骨材に軽量骨材を使い軽量化しているコンクリートのことで、よく使用される箇所としてはベランダや屋上です。

防水工事が必要であり、なおかつ歩行する事が想定される箇所に、防水層の保護の為に用いられます。
防水層を保護するコンクリートは、シンダーコンクリートとも呼ばれています。

生コンに求められる性質

生コンに求められる性質について解説します。

粘性

コンクリートでものをつくるためには、生コンを型枠の隅々に詰め込むことが必要です。

その際に大事な指標が、生コンの粘性と呼ばれる指標です。

生コンの粘性は主に水の量によって変化します。

一般的に水の量が多いほど、粘性は小さくなり、柔らかくなります。

柔らかい生コンほど、型枠に流し込みやすくなります。

一方、粘性が大きく硬い生コンでは、生コンを型枠に詰め込む際に空隙が発生しやすくなり、コンクリートの耐久性が低下します。

そのため、粘性は一定よりも小さい必要があります。

材料分離抵抗性

生コンには材料分離がどれだけ発生しにくいかという材料分離抵抗性も重要な指標です。

先ほど説明した、生コンの粘性は、小さすぎるとデメリットが発生します。

それは骨材とセメントの材料分離が発生してしまうことです。

材料分離が発生すると、均質なコンクリートでなくなり、強度が発現しにくくなります。

そのため、生コンには材料分離抵抗性が一定よりも大きいことが求められています。

まとめ

生コンに求められる性質とは、型に詰める作業を行うことのできる粘性を持ちながら、材料分離を起こさないような、柔らかさを持つということになります。

専門的にはこの性質をワーカビリティと呼びます。

ワーカビリティが良い生コンが建設作業において求められています。

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