用語の解説 設計図

床伏図とは?意味や平面図との違い、示されるもの、見方について分かりやすく解説!

2023年5月23日

床伏図とは、伏図の中の図面の一種であり、建物の床の構造体を上から見た形で図示するもので、床のある階を対象にして作成される図面。

この記事では、床伏図の意味や平面図との違い、示されるもの、見方について解説します。

床伏図の意味

建物において、自立して、内・外部からの様々な力に対して壊れないように支える部分を構造体又は構造躯体といいます。

この構造体の設計で作成される図面(構造図)に伏図があります。

 構造図における伏図は、建物の構造体を構成する水平方向の基礎や梁などの各層をそれぞれ一つの平面上で表す設計図面であり、一般に各層を上から見下ろす形で作成されます。

 床伏図は、伏図の中の図面の一種であり、建物の床の構造体を上から見た形で図示するもので、床のある階を対象にして作成されます。

なお、床伏図は建物の平面形が現れた比較的見やすい図面であるとともに、床を支える構造を理解する上で重要な図面です。

 また床伏図は、鉄筋コンクリート造、鉄骨造を含む大方の種類における建築構造体の設計で作成される図面です。

そこで以下においては、最も身近で分かり易い、わが国の伝統的な木造軸組み工法の構造図で作成される床伏図を例にして解説するものとします。

平面図との違い

平面図は、意匠図における図面の一種で、建物の各部屋の用途、間取り及び床の仕様などを視覚的な視点から説明するために、通常人の目の高さから見下ろした想定で各階ごとに作られる図面です。

 一方、床伏図は構造図における伏図の一種で、対象物を見下ろして作成するところは平面図に似ていますが、床伏図で示される対象は各階の床の構造体(構造部材の配置と構成)であり、床貼り材、建具並びに造り付け家具などの仕上げ関係仕様は図示されないことが基本的な違いです。

 床伏図で示されるもの

木造軸組み工法における床伏図には、水平部材を主体として一般的に次のような構造部材が図示されます。

(一階床伏図)

➀ 根太 際根太 ・・・仕上げ材である床貼り材の下地となる部材

② 土台(アンカーボルト共) 火打ち土台 大引き ・・・土台レベルで柱や一階床の根太を支える部材

③ 柱類(通し柱 管柱)の位置

④ 束 ・・・大引きにたわみが出ないよう下から支える部材

(二階床伏図)

➀ 根太 際根太 ・・・床貼り材の下地となる部材

② 胴差 床梁 妻梁 火打ち梁 ・・・胴差のレベルで柱や二階床の根太を支える部材

③ 柱類(通し柱、管柱)の位置

なお床伏図には、共通して横(X)方向及び縦(Y)方向の通り芯線と通り芯線間の長さも図示されます。

床伏図の見方

床伏図では、一般的に 

1)通り芯間の長さ(スパン)

2)土台、大引き、梁、火打ち、根太などの位置、各々の長さ及びそれらの部材の符合(構造部材リストは別図で)

などを読み取り、その床を支える構造部材の配置と構成を知ることができます。

一階床伏図においては、一階各室の床への荷重と一階の柱にかかる鉛直荷重が、どのような構造部材によって支えられ、基礎によって受け止められているかを理解することができます。

また二階床伏図においては、二階各室の床への荷重と二階の柱にかかる鉛直荷重がどのような構造部材によって支えられ、また通し柱や管柱によって受け止められるかを理解することができます。

なお、生活上で、例えばピアノ等による重量物の床への載荷重が問題になる場合があります。

許容される重量を超えて床のたわみや破壊をおこさないためにも、当該箇所の床の構造を床伏図によって把握しておくことは重要になります。

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