あなたの悩み
指差呼称って大きい声を出して指を差すだけで効果があるのか疑問
指差呼称って意味あるの?
こんな疑問を解決します。
指差呼称は実際様々な効果とメリットがあるので実施されています。「指差呼称なんて意味ない」と思ってしまうと大きな事故やケガにつながる可能性があります。
今回は、指差呼称は本当に意味がないのか、その効果とメリットについて解説します。
この記事を読めば、指差し呼称の意味をすることが理解できます。
指差呼称の効果
指差呼称には3つの効果があります
①不注意を防ぐ
②錯覚を防ぐ
③近道・省略行動を防ぐ
➃危険軽視・慣れを防ぐ
これらは総じてヒューマンエラーを防ぐということになります。
不注意を防ぐ
事故やミスをした人が原因としてあげるものに「不注意」「注意不足」ということがあります。
人はあることに注意を向ければ、それ以外のことは不注意となります。
意識がぼんやりしていれば、注意能力が低下することを防止するには意識をそこに向ける必要があり、指差呼称を行うことで
意識を対象に向けることができます。
錯覚を防ぐ
人はどうしても錯覚をおこしてしまいます。
建設現場でいうとそこに足場があると思ったと錯覚し「墜落」してしまうということも起こります。
思い込みや勘違いを含めた錯覚を防ぐために、指差呼称でしっかり確認することで錯覚を防ぐことができます。
近道・省略行動を防ぐ
「こっちの方が楽だろう」「こっちの方が早いだろう」と正しい手順を踏まずに行動してしまうことは良くあるヒューマンエラーの一つです。
一つ一つの正しい作業手順を指差呼称で確認することが近道行動を防ぐ有効な手段になります。
危険軽視・慣れを防ぐ
新人であれば危険軽視、ベテランであれば慣れによって、事故につながることがあります。
指差呼称を行うことで、この危険軽視や慣れの意識をリセッとすることができます。
指差呼称の実証試験
指差呼称の効果については、いくつかの実証試験が行われています。
指差呼称の実証試験「間違い発生率の低下」
実は指差呼称はいくつかの実証実験が行われており、実際に効果があることが証明れています。
一つは、1994年に財団法人(現、公益財団法人)鉄道総合技術研究所により、効果検定実験が行われました。
この実験には、操作ボタンの押し間違いの発生率を検証したものです。
「指差しと呼称を、共に行わなかった」:2.38%
「呼称のみ行った」:1.0%、
「指差しだけ行った」:0.75%
「指差・呼称共に行った場合」0.38%
指差呼称を行った場合の押し間違いの発生率は、何も行わなかった場合の発生率に比べ、約6分の1という結果となったそうです。
指差呼称の実証試験「脳の活性化」
処方箋と指示書を確認する作業を,「黙読」「指差し」「呼称」「指差し呼称」の 4つの方法で確認するという試験を行い、「指差し呼称」法が他の方法に比べて特に
前頭葉前部の脳活動が大きく認知機能が活性化することが確認できています。
参照記事:http://www.jsomt.jp/journal/pdf/059010019.pdf
指差呼称の実証試験「数の確認」
ディスプレイに表示される28-32の白抜きの〇を定められた時間で数えるという試験が行われました。
指差しを行って数える場合と指差しを行わないで数える場合で比較し、数え間違いの平均は、指差しありの方が小さくなり、指差しの効果が確認できています。
指差しあり | 指差しなし | |
数え間違いの平均 | 1.8 | 2.6 |
参照記事:http://bunken.rtri.or.jp/doc/fileDown.jsp?RairacID=0001003807
指差呼称の意味がないと思われる理由
以上のように様々な試験を行い。指差呼称が有効なことが確認されています。
しかし、指差呼称は意味がない」と感じるひとは多くいると思います。
その理由として、
- 指差呼称自体がマンネリ化している
- 効果はあるが事故やケガが無いので、効果を実感できない
ということが考えられます。
指差呼称自体には意味があることは確実なので、マンネリ化させないこと、事故が起こっていないからと言って安易に指差呼称を省略しないことが重要です。