用語の解説 衛生工事

建築で使われるスリーブとは?意味や注意事項、スリーブ入れの手順について分かりやすく解説!

2023年4月17日

スリーブとは、設備の配管やダクトを通すために梁、床、壁に開けた穴の事。

この記事では、スリーブの意味や注意事項、スリーブ入れの手順について解説します。

スリーブとは

スリーブとは

スリーブとは設備の配管やダクトを通すために梁、床、壁に開けた穴の事です。

建物を建てる時にトイレの配管やエアコンの配管、換気扇のダクト配管は基本的には壁の中や床の下、天井の中に設置されていています。

1階のトイレの排水管は床の下に埋まっていますが、この配管は地面の下に埋まっている地中梁と呼ばれる建物を支える構造体を貫通させて施工されています。このときに構造体に通す配管を通す為の穴をスリーブと呼びます

 

スリーブを入れる際の注意事項(離隔距離・へりあき寸法について)

スリーブを構造体と呼ばれる梁に入れる際に注意しておかないポイントを以下に記載しました。主に設備工事において、最も多く施工する地中梁にスリーブを入れる際の注意点を書いています。

スリーブは構造体を通すので誤った施工をすると建物の強度に悪影響がでるので注意しましょう。

 

梁の大きさに対して貫通できるスリーブサイズが決める

梁貫通サイズは梁せいの1/3以下とする。

イメージとして、梁は長方形になっていることが多いですが縦のサイズを主に梁せいと解釈します。

縦500㎜(H)、横2000㎜(W)、の梁せいは500になります。

梁せい500の場合、500÷3=166.66になりスリーブサイズは166Φまでとなります。

実際には166Φというサイズはないので、150Φになります。

 

スリーブ貫通部は梁の中心が望ましいが、やむをえず貫通部を上下にずらす場合は上下からいくら以内という規定値がある

こちらをへりあき寸法と呼びます。

以下数値を記載します。

スリーブ位置h「㎜」

①h≧175 ②h≧200 ③h≧250 

梁せい H「㎜」

①500≦H<700 ②700≦H<900 ③900≦H

500㎜から700㎜までの梁せいの場合、梁の上端、下端から175㎜までにスリーブの上端と下端を収める事。

700㎜から900㎜までの梁せいの場合、梁の上端、下端から200㎜までにスリーブの上端、下端を収める事。

900㎜以上の梁せいの場合、梁の上端、下端から250㎜までにスリーブの上端、下端を収める事。

ポイントはスリーブの中心ではなく、スリーブの上端下端ですので注意しましょう。

梁貫通部の中心位置は、柱および直交する梁(小梁)の面から梁せいHの1.2倍以上離す事。

  スリーブの端は梁の端部から1.2倍以上離しましょう。500Hの梁せい場合、500×1.2=600  ㎜以上離した位置にスリーブ端がセットされるようにします

梁貫通が並列する場合は、その中心間隔はスリーブサイズの平均値の3倍以上とする。

  例えば100Φが2個連続で並んでセットする際には((100+100)÷2)×3=300㎜を中心間隔 としてセットしましょう。設備業界では3D離すと呼ばれます

 

スリーブ入れの手順

スリーブ入れの流れは以下になります

①地中梁用の鉄筋の配置を記す為にうすく敷かれたコンクリートにスリーブの位置を記す。

この際に打設するコンクリートを捨コンと呼びます。

捨コンに地中梁用鉄筋の位置を記されると同時に、設備のスリーブ位置も記します。

地中梁は鉄筋を組み立て、型枠と呼ばれる木枠で上部をのぞいた3面に蓋をします。

最後上部からコンクリートを流し込み時間を経過させます。

②鉄筋が組み上がった状態でスリーブを鉄筋の間に配置する。

スリーブは塩ビパイプを使用する事が多いです。このとき補強が必要なら補強筋と呼ばれるスリーブ入れ専用の鉄筋を一緒にセットします。

③スリーブをセットしたら高さと寄り寸法が図面と合っているかを確認して終了です

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