http://www.nikkendaikyou.or.jp/material/pdf/kisochishiki.pdf
あなたの疑問
・型枠支保工施工時の留意点とは?
・型枠支保工の部材ってどんなものがある?
・型枠支保工の滑動防止はどのように行う?滑動防止の基準は?
・根がらみのはどれくらいでつけないといけない
・ペコビームとは?
型枠の支保工は、コンクリート打設時に動かないこと、崩れないこと、頑丈に固定してあることが重要になります。
打設時に支保工が崩れてしまうと、安全面も品質面にも大きな影響を与えてしまうので、必要な措置を必ずとるようにしましょう。
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型枠のサポート
型枠の支柱サポートには様々な部材が用いられます。
最も一般的なものは、パイプサポートと鋼管枠のサポートです。
一覧にすると、以下のようになります。
- パイプサポート
- 鋼管枠
- 鋼管
- 組立て鋼柱
- H型鋼
- 木材
型枠支柱の継手
パイプサポートは3つ以上継いではいけません。
また、パイプサポートを継ぐ場合は、4つ以上のボルトを用いるか、専用の金具をを用いてしっかる継ぐ必要があります。
(型枠支保工についての措置等)
第二百四十二条 事業者は、型枠支保工については、次に定めるところによらなければならない。
三 支柱の継手は、突合せ継手又は差込み継手とすること。
四 鋼材と鋼材との接合部及び交差部は、ボルト、クランプ等の金具を用いて緊結すること。七 パイプサポートを支柱として用いるものにあつては、当該パイプサポートの部分について次に定めるところによること。
イ パイプサポートを三以上継いで用いないこと。
ロ パイプサポートを継いで用いるときは、四以上のボルト又は専用の金具を用いて継ぐこと。
型枠支保工の滑動防止とは?
滑動とは、すべり動くことを言います。
型枠の場合の滑動防止とは、コンクリートの側圧によって型枠の支保工がすべり動いてしまわないように防止することです。
労働安全衛生規則では型枠支保工の滑動防止について、以下のように規定されています。
労働安全衛生規則 第二編 第三章 型わく支保工
(型枠支保工についての措置等)
第二百四十二条 事業者は、型枠支保工については、次に定めるところによらなければならない。
一 敷角の使用、コンクリートの打設、くいの打込み等支柱の沈下を防止するための措置を講ずること。
二 支柱の脚部の固定、根がらみの取付け等支柱の脚部の滑動を防止するための措置を講ずること。四 鋼材と鋼材との接続部及び交差部は、ボルト、クランプ等の金具を用いて緊結すること。
型枠支保工の滑動防止の対策としては、ここにかかれているように以下の対応が必要になります。
- 敷角の使用
- 脚部の固定
- 根がらみの取付
敷角の設置と固定
型枠支保工の足元には、敷角を設置し、ジャッキベースや支保工の脚部に対して釘などを用いてしっかり固定する必要があります。
敷角とは支保工の足元に設置する木板や角材のことです。
敷角は支保工にかかる荷重を、広い面積で受けることによって力を分散させ、沈下防止となります。
さらに、釘を用いて固定することで滑動を防止することができます。
型枠支保工の根がらみ取り付け
型枠支保工の滑動防止として、支保工の脚部に根がらみを取り付けなれけばなりません。
根がらみとは、支保工の脚部に設置する単管や鋼管のことです。
根がらみを取り付け支保工どうしをつなぐことで、支保工が横にずれることを防止することができます。
根がらみはX方向、Y方向ともに取り付けるようにします。
根がらみクランプ
型枠支保工の根がらみの取付には、根がらみクランプという専用のクランプを用いることが多いです。
根がらみクランプの長所として、普通のクランプより取り付けが容易にできるということです。
図は岡部の商品でコネクトクランプという商品名となっています。
型枠支保工の水平つなぎ
鋼管やパイプサポートなどの細長い支柱の部材はコンクリートの荷重で変形・座屈してしまいます。
支柱の変形や座屈を防止するために水平つなぎを取り付けなければなりません。
水平つなぎは、鋼管やサポートなどの支柱どうしをつなぐ単管や鋼管のことです。
水平つなぎも上記で説明した根がらみのように、専用のクランプを用いてつないでいきます。
また、水平つなぎは、支柱に用いる部材によって基準が変わるので以下にまとめます。
支柱の種類 | 水平つなぎの基準 |
鋼管 | 高さ2m以内ごとに水平つなぎを2方向に設ける |
パイプサポート | 高さが三・五メートルを超えるときは、高さ2m以内ごとに水平つなぎを2方向に設ける |
鋼管枠 | 最上層及び五層以内ごとの箇所において、型枠支保工の側面並びに枠面の方向及び交差筋かいの方向における五枠以内ごとの箇所に、水平つなぎを設ける |
組立て鋼柱 | 高さが四メートルを超えるときは、高さ四メートル以内ごとに水平つなぎを二方向に設ける |
木材 | 高さ2m以内ごとに水平つなぎを2方向に設ける |
(型枠支保工についての措置等)
第二百四十二条 事業者は、型枠支保工については、次に定めるところによらなければならない。
六 鋼管(パイプサポートを除く。以下この条において同じ。)を支柱として用いるものにあつては、
当該鋼管の部分について次に定めるところによること。
イ 高さ二メートル以内ごとに水平つなぎを二方向に設け、かつ、水平つなぎの変位を防止すること。七 パイプサポートを支柱として用いるものにあつては、当該パイプサポートの部分について次に定めるところによること。
ハ 高さが三・五メートルを超えるときは、前号イに定める措置を講ずること。(高さ二メートル以内ごとに水平つなぎを二方向に設ける)八 鋼管枠を支柱として用いるものにあつては、当該鋼管枠の部分について次に定めるところによること。
ロ 最上層及び五層以内ごとの箇所において、型枠支保工の側面並びに枠面の方向及び交差筋かいの方向における五枠以内ごとの箇所に、水平つなぎを設け、かつ、水平つなぎの変位を防止すること。九 組立て鋼柱を支柱として用いるものにあつては、当該組立て鋼柱の部分について次に定めるところ によること。
ロ 高さが四メートルを超えるときは、高さ四メートル以内ごとに水平つなぎを二方向に設け、かつ、 水平つなぎの変異を防止すること。十 木材を支柱として用いるものにあつては、当該木材の部分について次に定めるところによること。 イ 第六号イに定める措置を講ずること。
型枠支保工 チェーン
階高の高い柱や壁などは、型枠の変形や倒れを防止するため控え(サポート)を設置しなければなりません。
型枠支保工に設置する控えとしてチェーンがよく使用されます。
床にU型のアンカーを埋め込んでおき、そこからターンバックルを利用してチェーンで型枠を補強します。
型枠支保工筋かい
鋼管枠を型枠支保工の支柱として用いる場合、筋かいを設置しなければなりません。
コンクリート打設時の水平力に対して抵抗するために筋かいは必ず必要になります。
八 鋼管枠を支柱として用いるものにあっては、当該鋼管枠の部分について次に定めるところによること。
イ 鋼管枠と鋼管枠との間に交差筋かいを設けること。
型枠支保工ペコビーム
型枠支保工には支柱を用いない梁型の支保工があります。
梁型の支保工はペコビームと言われる商品が一般的です。
ペコビームは支柱がいらないので、スラブ下で作業がしやすくなります。
ペコビームの特徴として以下の点が挙げられます。
・構造は簡素で、スパンに合わせて伸縮することができる
・クサビ式となっており、普通のハンマーで締付取り外しが可能
・軽量で頑丈、安全性にも優れる
・ムクリがつけられており締め付けるだけで、スパンに適したムクリが得られる。
型枠支保工の届出について
型枠支保工は高さ3.5mを超えると監督署への届出を行う必要があります。
詳しくはこちらにまとめので参考にしてください。
参考記事【型枠支保工高さ】届出が必要な基準と安全管理【施工者必須の知識】