「鉄筋に使われる記号について知りたい」
「配筋図を見てもよく分からない」
こんなお悩みにお答えします。
土木工事で欠かせない仕様書や図面には多くの記号や数字が用いられています。
中でも鉄筋は利用されることが多く、知識がないと何を記載しているのか難しいのではないかと思います。
本記事では、鉄筋に用いられる記号の種類や意味、配筋図での表記の意味を分解して解説しますので、ぜひ最後までお読みください。
鉄筋に用いられる記号を解説
鉄筋に用いられる主な記号を下表にまとめました。
略記号 | 名称 | 意味 | 補足 |
F | フーチング | 橋梁やボックスカルバートの底部部分のこと | 配筋図では、「F1」「F2」などと表記される。 |
W | 壁 | 橋梁やボックスカルバートの側部のこと | 配筋図では、「W1」「W2」などと表記される。 |
S | スラブ | 橋梁やボックスカルバートの上部部分のこと | 配筋図では、「S1」「S2」などと表記される。 |
略記号は主に配筋図の断面図に使用され「W1」などの略記号が鉄筋表などとリンクしています。
鉄筋の記号に付随する表記の仕方について解説
図面や仕様書、設計書に用いられる鉄筋の表記については下記の通りです。
SD295D13@100
これだけ見ると何を意味しているのかいまいち分かりづらいでしょう。
それぞれの記号や数字を区切ると以下のような意味に分けられます。
- 種別
- 性質
- 呼び名
- 配置する間隔
それぞれの意味について詳しく解説していきます。
種別
表記のはじめに出てくるアルファベットが「鉄筋の種別」です。
主にSDとSRの2種類があり、SDとは「異形鉄筋」を言い、表面に突起が付いたコンクリート補強用の鉄筋を指します。
SRとは「丸鋼」を言い、表面にリブや節と呼ばれる突起がない種類の鉄筋を指します。
機械的性質
種別の次に表記される数字が「鉄筋の機械的物質」を表しています。
機械的性質とは、物質や材料が物理的な力に対する強さなどを指します。
具体的には、引っ張り強度や伸び率、降伏点といったものです。
295だと、降伏点または耐力が295N/㎟以上であることを意味しており、一般的に数値が高いほど強度が高くなります。
建設業界で最も一般的に使用されている鉄筋は「SD295」です。
汎用性が高く流通性の良さに優れています。
呼び名(公称直径)
機械的性質の次に表記されるアルファベットと数字が「鉄筋の呼び名」です。
呼び名とは、鉄筋の太さを表します。
太さの種類については、以下の表を参照してください。
■呼び名別寸法および重量
呼び名 | 公称直径(mm) | 単位質量(kg/m) |
D10 | 9.53 | 0.560 |
D13 | 12.7 | 0.995 |
D16 | 15.9 | 1.56 |
(引用元:JFE条鋼)
土木工事で使われる太さは「D13」が一般的に多く、1mあたり約1kgに相当します。
配置間隔(ピッチ)
最後に表記される数字が「鉄筋の配置間隔」です。
鉄筋の配置間隔については@の後に数字で表しており、鉄筋同士の中心間の距離をmm単位で表します。
配筋図で「3@200」などと記載があった場合は「3」が鉄筋の本数で「@200」が200mmの配置間隔といった意味を表します。
まとめ
本記事では、鉄筋に用いられる記号およびそれに付随する表記の仕方について解説しました。
はじめて図面を見ると難しく感じると思いますが、記号などの意味が分かればまた見え方が変わってくるかと思います。
本記事で解説した記号や表記を理解し、先輩社員や関係業者の打合せ内容におくれを取らないようにしましょう。