あなたの悩み
断面図の書き方が分からない。
建築士の試験で綺麗な図面を早く書ける手順を知りたい。
こんな悩みを解決します。
実は断面図って手順と書き方を理解すれば、誰でも早く綺麗な図面を書くことができるんです。
本記事では、
・断面図の書き方
・断面図を早く綺麗に書く手順
について解説します。
この記事を読めば建築士の製図試験で合格できる綺麗な断面図を書けるようになります。
本記事の信頼性として、私はこの断面図の書き方で一級建築士に一発合格しており、10年以上働くゼネコンでも施工図や設計図等の図面関係を毎日見て仕事を行っています。
タップできる目次
断面図の書き方の大まかな手順
断面図の書き方の大まかな手順はこちらです。
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1通り芯と寸法関係の作図
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2断面線と躯体の作図
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3壁と天井と寸法線の作図
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4仕上げと見えがかり線の作図
この大まかな手順の通りに書くことをおすすめします。
断面図以外の図面もそうですが図面は漢字の書き順のように決まった手順で書くことで、早く美しいものが書けるようになります。
この断面図の書き方の手順をしっかり覚えて、あとはそれを繰り返し練習することで作図スピード・図面の綺麗さはどんどんレベルアップしていきますよ。
断面図の書き方と手順を実際の図面で解説
通り芯の作図
はじめに通り芯を書きます。
通り芯は手間や余計な線が増えるので最初に書かないという人もいますが、間違いを減らすためには最初に書いた方が良いです。
ポイント
・二度手間にならないように、一発で少し長めに書くこと
・基本的に細い線で描くが薄くしすぎない
短めに遠慮して書いてしまうと線が必要なところまで無くて、後でまた書き足すという2度手間になってしまうためスパッと1発で長めに書きます。
通り芯は基本的に細い線で書くのですが、最初に書く線なので薄すぎると図面を書いているうちに擦れていき見えなくなってしまいます。
基準となる線なので消えてしまったら不便なので、極端に薄くならないようにしましょう。
ポイント
通り芯を書いた後の注意点として、スパン数を必ず数えて下さい。
数えるだけなので数秒で終わりますが、これを怠るとあとで取り返しのつかない間違いを見逃す恐れがあります。
寸法線・寸法・敷地境界線・階高・最高高さ・GL・FLの作図
続いて、寸法線を書いていきます。
ポイント
寸法線を作図が終わって最後に書こうとする人もいますが、寸法線は絶対に最初に書くにようにしてください。
最初に寸法を書くことで、書き忘れを防ぐことができますし、スパンや寸法に間違いが無いか確認することができます。
GLとFLの符号も忘れずに書くようにしましょう。GL、FLは▽の符号で表します。
寸法を書くときに寸法線からの距離を離しすぎないようにすることも綺麗に見えるポイントです。
また、忘れやすいですが建物の最高高さを必ず記入しましょう。
建物の最高高さ
建築物の一番高い部分です。RCであればパラペット、設備置き場等があればそれが最高高さです。
2)建築物の高さに算入しないもの
a:棟飾り(風見鶏・鬼瓦など)、防火壁等の屋上突出部
注)パラペットは高さに算入します。
b:下記の3条件を満足する塔屋
・ 用途:階段室・昇降機・装飾塔・物見塔・屋窓など
・ 水平投影面積:建築面積1/8以内
・ 高さ:12m以内 ・・・ただし、第1種低層住居専用地域又は第2種低層住居専用地域 内の高さの制限(法55条1項・2項)、日影による中高層建築物の高さの制限等(法56条の2第4項及び法別表第4)にあっては5m以内。
また、1FLはGLより100㎜程度上に設定するようにしましょう。
補助線の作図
通り芯を基準に書いていけるので、補助線については書かなくてもいいですが、時間をかける必要は無いのでサクッと書ける人は書いた方が良いです。
私は補助線を書いた方がそのあとの線を迷わず引けるので、総合的に作図スピードも図面の綺麗さも良くなりました。
耐圧盤・床の作図
基準線関係と補助線を書いたら、まず耐圧盤と床スラブを書いていきます。
ポイント
耐圧盤と床スラブは断面線なので、0.5のペンを使って太すぎるかなと思うくらい太く書いていいです。細くなると断面線と見えがかりの線の差がなくなり、図面のメリハリが無い印象になってしまいます。
補助線があれば上記のように梁を書く部分を除いてスラブの線を書いていきます。
横線だけなので、リズムよくスピーディーに書いていきます。
スラブの厚さは建築士の試験であれば200㎜で書くようにします。
耐圧盤は土圧を受けるので、床スラブより厚くして400㎜程度とします。
地中梁・梁・小梁の作図
スラブ・耐圧盤の次は梁、地中梁、小梁を書きます。
梁・地中梁・小梁も断面線になるので、床スラブと同様に太い線で書きます。
梁・小梁・地中梁のサイズ
梁 | 400㎜×800㎜ |
小梁 | 300㎜×600㎜ |
地中梁 | 500㎜×2000㎜ |
梁と小梁は同じものの繰り返しなので、テンプレートで書くのも作図スピードが上がるのでおすすめです。
パラペット・外壁・区画壁・室内壁の作図
梁・基礎梁を書き終えたら、残りの駆体であるパラペットと外壁と内壁を書くようにしましょう、
パラペットや壁は断面線となるので太い線でしっかりと書きます。
RC造の場合は屋上に防水納まりのためのパラペットが必ず必要になります。
パラペットの表現は少し複雑ですがしっかりパラペットの詳細図を確認して形状を覚えておくようにしましょう。
http://www.osakamidori.co.jp/bousui/asphalt4_b.html
外壁どこに開口部を設けるかしっかり整理して書くようにします。
梁と外壁を面で合わせると鉄筋が納まらないので、通常の構造体寸法よりもふかして書き込むのも良いです。
パラペットと外壁を書いたら内壁を書いていきます。
区画壁となる部分は遮音性や遮煙性を考慮してスラブからスラブまで通して書くようにします。
スラブからスラブまでの壁があるため、天井よりさきに壁を書くようにして、その壁に天井をぶつける納まりになります。
天井・仕上げ・床の作図
次に仕上げを書いていきます。
天井は実際厚みのある材料が使われますが、細い線でシングルで書けばよいです。
ポイント
ホールなどの天井内の高さが大きいところは、ふところ部分に天井の下地補強材を表現する必要があります。
その場合ふところの寸法は十分確保できるようにしましょう。
逆にふところが小さすぎると配管やダクトのスペース、天井下地が収まらなくなるので注意が必要です。
床仕上げの表現はこの縮尺だと難しいですが、資格学校によっては厚みを表現するように指導されるので、床スラブの上に一本線を入れてあげればよいです。
たしかに、床仕上げを表現するだけど少し図面の密度が上がって完成度が高く見える図面にはなります。
部屋名・天井高さ寸法の作図
躯体・開口部・天井の全体を仕上げたら、部屋名と天井寸法を書いていきます。
おすすめは部屋名を先に書くことです。
ポイント
部屋名その部屋の中心に書くことでバランスよく見えますが、先に天井高さ寸法を書いてしまうと本来部屋名を書きたかったところに書いてしまったりしてバランスが悪くなります。
天井高さの寸法は、他のものとかぶらないように壁際の方に書いても綺麗見えます。
天井高さの寸法は基本的に部屋ごとに書くようにします。
実際に業務で扱うような図面でも、部屋の天井高さはとても重要です。
天井高さの寸法については、出題に指定の寸法が無いか確認し、もし指定があればそれに従います。
無ければ、下記の天井高さとします。
一般的な部屋 | 3m |
トイレや廊下 | 2.6m |
次に、部屋名ですが文字の綺麗さは人によって個人差が出てしまいますが、読めるように丁寧に素早く書きましょう。
部屋名は思い込みでつい間違ってしまうこともあります。
出題の条件をもう一度確認して間違わないようにしましょう。
見えがかり線(柱や梁、家具、屋上緑化、設備)の作図
最後は見えがかりの線を書いていきます。
パラペットの見えがかり
柱や梁の見えがかり
屋上庭園
植栽設備
スペース家具
などを書いていきます。
必須でないものもありますが、完成度と密度を上げるためにできるだけ書くようにしましょう。
時間が足りないようであれば最優先事項ではありません。全体の最後のチェックが優先です。
断面図の書き方の練習
断面図の書き方を練習するのにおすすめの方法はパーツを練習することです。
例えば、
種類別の開口部の書き方
パラペットの書き方
などについて部分ごとに練習することで、図面を書くときに迷わず書けるため手がとまらず、素早く書けるようになります。
断面図を書く時間は?
建築士の製図試験は6時間30分です。
内訳としては、以下です。
- エスキスで2時間
- 要点の記述で1時間
- 作図で3時間
- 見直しで30分
作図3時間の中で断面図を書くのは25分を目標に書くようにしましょう。
断面図の書き方と手順のまとめ
断面図は手順を決めて書けば、素早く綺麗にかけるようになります。
しかし、図面はひたすら書かないと上達しないので、書いて、書いて、書きまくることが上達のコツです。