間接排水とは、排水を一度、大気中で縁を切り、所要の排水口空間をとって、排水系統へ直結している水受け容器等に排水することです。
この記事では間接排水の意味、目的、間接排水を必要とする機器、図面上の記号について分かりやすく解説します。
間接排水とは
間接排水とは、排水を一度、大気中で縁を切り、所要の排水口空間をとって、排水系統へ直結している水受け容器等に排水することをいいます。
間接排水管の管径 〔 ㎜ 〕 |
排水口空間 〔 ㎜ 〕 |
---|---|
25 以下 | 最小 50 |
30 ~ 50 | 最小 100 |
65以上 | 最小 150 |
この排水口空間があることにより、汚水の逆流を防ぎ、害虫が上がってきても機器側の上流へたどり着くことができません。
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間接排水とする目的と理由
飲料水・食物等を取り扱う機器からの排水を排水管に直結してしまうと、排水管の詰まりなど異常が生じた場合、汚水が逆流し、飲料水・食物等が汚染され、衛生上良くありません。
このため、飲食物を取り扱うものやや医療機器など衛生上特に配慮すべきもので排水口を有するものは、排水系統からの逆流を防止するために「間接排水」とします。
間接排水はなぜ逆流を防止できる?
それでは、間接排水はなぜ逆流を防止できるのでしょうか。
原理は簡単で、配管と逆流する恐れのあるものをを物理的に切り離しているからです。
逆流とは、様々な理由で配管内が負圧になった際に、水を吸い込む力が働きます。
そこで、負圧になったとしても、物理的に切り離すことで、逆流を防止します。
コップに入ったストローをイメージすると分かりやすいです。
ストローが飲み物についているときに吸う力を加えれば、飲み物はストローを通って口の中に入ります。
しかし、ストローと飲み物の間に隙間があるといくら吸う力を加えても、飲み物が上がってくることはありませんよね。
簡単にいうと間接排水は、このようにして逆流を防いでいます。
間接排水を必要とする機器
1) サービス用機器
- 冷蔵関係:冷蔵庫・冷凍庫・ショーケース等の食品冷蔵・冷凍機器等
- 厨房関係:皮むき機・洗米機・蒸し器・製氷機・食器洗浄機等
- 洗濯関係:洗濯機・脱水機等
- 水飲み器:水飲み器・飲料用冷水機・給茶器等
2) 医療・研究用機器
- 蒸留水装置
- 滅菌水装置
- 滅菌機
- 消毒器
- 洗浄装置等
3) 水泳用プール
- プール自体の排水
- 周縁に設けられたオーバーフロー口からの排水
- 周縁歩道の床排
- 水及びろ過装置からの逆洗水等
4) 配管・装置の排水
- 各種の貯水タンク・膨張タンク等のオーバーフロー及び排水
- 上水・給湯及び飲料用冷水ポンプの排水
- 排水口を有する露受け皿・水切りなどの排水
- 上水・給湯及び飲料用冷水系統の水抜き
- 消火栓・スプリンクラー系統等の水抜き
- 逃し弁の排水
- 圧縮機などの水ジャケットの排水
- 冷凍庫・冷却塔及び冷媒・熱媒として水を使用する装置の排水
- 空気調和用機器の排水
- 上水用の水処理装置の排水
5) 蒸気系統・温水系統の排水
- ボイラ
- 熱交換器及び給湯用タンクからの排水
- 蒸気管のドリップ等の排水は間接排水とし、45℃未満に冷却した後、排水する。
間接排水の記号
間接排水の記号は、図面上で二重丸(◎)を使用して表現します。
間接排水のホッパーとは?
間接排水には「ホッパー」と言われる金物が使用されます。
ホッパーとは、上流からの排水を受け取る水受け皿のことです。