梁せいとは、梁の高さのこと。
この記事では、梁せいの意味、梁幅との違い、梁せいの決め方について解説します。
梁せいとは?
建築物を支える構造物の1つである「梁」。
梁は建物の水平の力支える構造材で、床や天井の大元部分です。
梁せいとはその梁の高さを意味します。
この梁せいは構造的に柱の次に重要と言ってもいいほど大切なものです。
梁せいと梁幅の違い
では、四角形の梁があるとしましょう。
四角形のどの辺が梁せいに当たるのでしょうか。
それは、梁にかかる力を下向きにした時に、高さ方向の辺が梁せいです。
梁せいと直行する、横方向の辺は梁幅と言います。
梁せいの決め方
梁せいがどこを指すのかわかったところで、次は梁せいの決め方について解説します。
梁にかかる力は鉛直方向の力であるため(床の重さなどを支えるイメージ)、
基本的に鉛直方向により作用する梁せいを大きくすることで強い梁にすることができます。
梁せいを大きくすると何が起きる?
しかし、建築はこれだけすればいいという簡単なものではありません。
単に梁せいを大きくするだけでは、様々な支障が出てきます。
梁せいを大きくしたことで、天井の高さが低くなることがあります。
これは全体的に低くなることもあれば、梁の部分だけ低くなることもあります(マンションなどでよく見られます)。
また、梁せいを大きくするということは、材料もそれだけ多く使用するということなのでコストがかかります。
梁は建物の中にたくさん出てくるので、なかなか大きな額になってきてしまうのです。コストの調整も設計者の仕事であるため欠かすことのできない条件になってきます。
材質によって梁せいの決め方は変わる
更に、木造・鉄筋コンクリート造・鉄骨造でも梁せいの決め方は変わってきます。
どの構造で、どの大きさの建物を作るのか、用途は何か、お客様の要望は何か。
梁せいと梁幅のバランスを取らなければ、梁を支える鉄筋が入らないのではないか。
デザイン的に梁の形が見えない方がいいのか。梁の本数は足りているのか。
その梁せいで希望のスパン飛ばせるのかなど、梁せい1つを考えるだけでも絡んでくることは多数です。
まとめ
- 梁せいとは、鉛直下向きに力がかかる時の高さ方向のこと
- 梁せいを大きくすると強い梁になる
- 梁せいの大きさ大きくするとコストがかかる
- 構造によっても梁せいが左右される
このように梁せいは建物を支える重要な役割を担っているからこそ、様々なことに関与しており、大きさや配置の検討が難しいものです。
梁だけではなく、どんな構造体も単体を考えるだけでは建物は作れず、バランスを保ち計画していくことが肝になります。