建設業界

高学歴大工集団〜平成建設〜

2017年9月22日

少し前に高学歴大工集団と銘打って話題になった平成建設」。
当時とても気になっていたので、改めて調べてみました。
すごい勢いで成長していた会社ですが今はどうなってるのでしょうか。

www.heiseikensetu.co.jp

平成建設とは

静岡県沼津市に本社を置く主に新築住宅を手掛ける建設会社。
なんといっても話題になったのが職人の内製化というシステム。
一般的な建設会社では、各工程ごとに単一の作業を外注下請けに発注)しているが、平成建設は大工職を社員として雇用し、
自社にて受注・設計・施工まで行っています。

なぜ職人の内製化は画期的なのか

現在の建設業は分業化が進んでおり、元請会社が様々な下請け会社に発注して建物を作っています。

元請会社は社員として大工さん等を抱えないことで、保険料その他の負担が発生せず教育にかかる時間や経費の負担もない
また下請け会社は、様々な元請会社から仕事を受注できることで、職人さん達の仕事が空いても、別の現場へすぐ派遣することができる。

というメリットがあります。

しかし、分業化されたことで、建物全体が把握できないので、間違いが生じたり、
各作業を様々な業者で繋いでいかないといけないので無駄が生じてしまったりします。

そこで、職人さんを内製化することで、様々な無駄をなくすことができるということです。

高学歴大工集団といわれる理由

平成建設には、この新しい取り組みと斬新な経営手法、
増収を続ける成長性に魅力を感じて、大工職に多くの大学生が集まっているようです。

そこに、集まる大学生は、なんと東大や京大などの有名大学の学生が
大手建設会社の内定を辞退してまで就職しています。

しかし、大学生が勝手に集まって来ているわけではなく、平成建設の経営者は
ある考えと狙いがあって大工職として大学生を集めているようです。

高学歴大工が必要な理由

目指すのは本物の大工

平城建設社長がインタビューでこのようなことを言っています。

「日本に今残されている文化財は全部、大工が作ったのです。道具も、電気も、コンピュータもない時代に、頭の中で精緻な図面を引き、そこに必要な木を探し、人を集めて教育し、作業をし、現場を仕切る。
歴史や文化、芸術などへの教養も、美意識、リーダーシップに経験も必要な仕事です。」

大工とは本来、大きな工(たくみ)。モノを作る現場の頂点にいた人のことだったのである。

出典:大工復権。アウトソーシング全盛時代に大工内製化に取り組む平成建設の思いを聞いた | 住まいの「本当」と「今」を伝える情報サイト【LIFULL HOME'S PRESS】

釘を打つだけが大工ではないということですね。
現在は分業化が進み、図面を書く人、現場を管理する人、木材を加工する人と
かつて大工さんがまとめて行っていた仕事を全てできる人はかなり少なくなっているでしょう。

そこで、本物の大工に必要な建築に対するある程度の教養や知識、様々な人を統括する能力がある人を期待して
高学歴大学生を大工職として迎えようとしているようです。

平成建設の今

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出典:大工を育成する会社 | 平成建設

平成建設は東京や神奈川にも進出し
今なお、右肩上がりの増収を続けているようです。
また、海外進出も計画しているようで、今後もさらに成長していくのではないでしょうか。

まとめ

内製化システムや高学歴大工集団で有名になった平成建設ですが、
販売している住宅が良いものでないと、ここまで成長することはないと思いますので、すばらしい家づくりをしているのだと思います。

また素晴らしい家づくりに加えて、大工という、日本の伝統的な技術を継承していこうという姿勢はすごい取り組みだと思います。このような取り組みが、日本の建設業会を盛り上げてくれるのかもしれません。

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