トランジスタ回路図とは?
トランジスタは、電子回路上を流れる電気信号を制御するための部品で、パソコンやスマートフォンなどの電子機器だけでなく、自動車や電車といった大型の機械まで、様々なところで広く用いられております。
バイポーラトランジスタ
最も基本的なトランジスタは、ベース(B)、エミッタ(E)、コレクタ(C)と呼ばれる3つの端子で構成されており、「バイポーラトランジスタ」が正式名称とされておりますが、一般的には単純に「トランジスタ」と略されることが多いです。
以下の図が、トランジスタの最も基本的な記号になります。
大きく分けてnpn形とpnp形があります。
前者は電流がコレクタ(C)側からエミッタ(E)側へ流れ、後者は電流がエミッタ(E)側からコレクタ(C)側へと流れます。
日本国内ではnpn形が主流となっており、pnp形が用いられるのはごく少数となりますので、以降はnpn形のトランジスタをもとに詳しく説明させて頂きます。
npnの場合、コレクタからエミッタへと電流が流れることになります(以下、「コレクタ電流」)。
コレクタ電流の大きさは、ベースに流れる電流(以下、「ベース電流」)の大きさに比例しているのではなく、ベース電流が一定以上に達することで初めてコレクタ電流が流れます。
このようにバイポーラトランジスタは、電流を持って電流を制御することを基本的な役割としているのです。
電界効果トランジスタ(FET)
バイポーラトランジスタの派生系として、電界効果トランジスタ(FET)というものも存在します。こちらはバイポーラトランジスタとは違い、ゲート(G)、ドレーン(D)、ソース(S)と呼ばれる3つの端子で構成されています。
(バイポーラトランジスタにおけるベース(B)がゲート(G)に、コレクタ(C)がドレーン(D)に、エミッタ(E)がソース(S)に置き換わる形となります)
電界効果トランジスタ(FET)には、nチャネル型とpチャネル型という分類がされており、ここでは主流のnチャネル型をもとに解説いたします。
n型チャネルのFETの場合、ドレーンとソースの間には、n型半導体のみが挟まる形となっております。この両端に電圧が印加されることにより、電流がこのn型半導体を通じて、ドレーンからソースへと電流が流れることになります(以下、「ドレーン電流」)。
印加電圧が大きくなればなるほど、p型半導体とn型半導体に存在するキャリア(正孔および電子)は、各半導体の境界付近から遠ざかり、キャリアの存在しない領域(空乏層)が形成されます。
空乏層は、印加電圧に比例するように大きくなっていき、逆にドレーン電流の流れるn型半導体の体積は小さくなり、その結果としてドレーン電流は小さくなります。
このように電界効果トランジスタでは、印加する電圧を持って電流を制御するのです。