用語の解説 設計図

位置指定道路とは?意味、基準、できる背景、建築制限、維持管理について分かりやすく解説!

位置指定道路とは、建築基準法の定めにより、宅地の開発事業者等の申請によって特定行政庁から位置指定を受けて造られる道路のこと。

この記事では、位置指定道路の意味、基準、位置指定道路のできる背景、建築制限、維持管理について解説します。

位置指定道路の意味

位置指定道路とは、都市計画区域において、道路法、都市計画法、土地区画整理法などにより造られる一般的な道路とは違い、建築基準法の定めにより、宅地の開発事業者等の申請によって特定行政庁から位置指定を受けて造られる道路です。 

ここでの建築基準法とは、建築法規の基幹的な法律であり戦後の1950年に施行されています。また特定行政庁とは、建築基準法に基づき確認の事務を担う建築主事が置かれた市区町村の首長を指します。なお建築主事を置かない市区町村の場合は知事が特定行政庁になります。 

また位置指定道路は公道ではなく、土地の帰属の上では「私道」の扱いになります。 

指定の基準

特定行政庁から道路として位置指定を受けることができる道は、次の条件に当てはまるものとされています。

1)幅員4m以上で、その両端が他の道路に接続しているもの

2)一端が他の道路に接続している幅員4m以上の袋地状道路で、次のいずれかにあてはまるもの

      幅員6m未満で延長が35m以下であるもの

      幅員6m未満で、終端に自動車が転回できる公園、広場などがあるもの(この場合延長距離の制限はなし)

      幅員6m未満で、終端に至るまで35m以内ごとに自動車が転回できる広場があるもの

      幅員6m以上のもの(距離の制限はなし)

3)基準に沿ったすみ切りや縦断勾配とし、あわせて必要な側溝などの排水施設を設けるもの

位置指定道路とは

位置指定道路ができる背景

建物を建設する場合、敷地は道路に2m以上接していなければならないという「接道義務」があります。接道義務は建築基準法の前身である戦前の市街地建築物法の時代からありました。 

戦後、人口の増加と都市圏への人口流入などから、農地や原野等を対象として宅地開発のニーズが高まり、そこで広い土地を住宅などの敷地とするために、分割してできる全ての敷地の接道義務条件をクリアさせる必要が生じました。 

そこから、道路法や都市計画法などに基づく「公」による道路の築造のみではなく、建築基準法の定めに基づき、「民間」である宅地開発事業者等においても、接道できる道路を造り、宅地として分譲することができる方策がとられるようになりました。 

位置指定道路には、宅地の供給策の一つとしてこのような背景があります。

位置指定道路の建築制限

建築基準法においては、位置指定道路は他の一般的な道路と変わらず「道路」として扱われます。したがって建築基準法で定める前面道路幅員による容積率制限や道路斜線制限などの適用を受けることになります。 

位置指定道路の維持管理

位置指定道路は公道ではなく私道であり、維持管理の責任は位置指定を受けた申請者(申請者からそれぞれ所有権の持ち分等を譲渡された場合はその譲り受け人)にあるものとされています。 

維持管理の対象としては、道路に必要な側溝などの排水施設や路盤、舗装等があります。また位置指定道路が公衆用道路として認められるか否かによって、所有者に固定資産税が課される場合があります。

 

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