「現場で石膏ボードが濡れてしまった。」
「新築中の家の石膏ボードが濡れている。」
など、石膏ボードが水に濡れてしまった場合はどうすれば良いのでしょうか?
今回は石膏ボードの水濡れの影響とその対応について説明したいと思います。
結論を言うと、カビや強度低下の原因になるので、ひどく濡れてしまった場合は交換するようにしましょう。
石膏ボードは水に弱い?
石膏ボードは水に濡らしてはいけないというのは現場の中ではもちろん常識ですが、実際に石膏ボードは水に弱いのでしょうか。
石膏ボード工業会のHPによると、
石膏ボードは、石膏と紙とで造られています。
水や湿気には強くありませんので、常時水濡れの恐れのある所や高湿度の部位への施工は出来ません。
参照:
http://www.gypsumboard-a.or.jp/construct/consideration.html
と説明されており、石膏ボードが水に強くないということは確かです。
石膏は吸湿しやすく、紙も使用されていることが、石膏ボードが水に強くない理由です。
石膏ボードの水濡れの影響は?
石膏ボードが水に弱いということは上記に説明しましたが、実際に水に濡れてしまうとどのような影響を受けるのでしょう。
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石膏ボードは石膏と紙ですから、吸湿すると一時的な強度低下を招く恐れがある。
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湿度が高くなったり、水に濡れた場合には、カビが発生する恐れがある。
水に濡れてしまうと、強度低下とカビの発生という影響がでてしまいます。
これらの水濡れを防ぐためには、以下の対策が必要です。
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製品が吸湿しないよう、建築現場等ではパレット、りんぎまたは下敷ボードを用い、防水シートなどで、雨や水にあたらないようにする。
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仕上材の下地及び外壁や屋根の下地として使用する場合、常に湿気が著しい、結露が絶えない、漏水が回り込む恐れがある場所に使用しない。
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屋根等の雨が入ってこない状況を作った後に石膏ボードの取付を行う
石膏ボードが水濡れしてしまった時の対応は?
石膏ボードは水に弱く、濡れてしまうとカビの発生や強度低下につながる事を説明しました。
そこで、もし実際に石膏ボードが濡れてしまった場合は、どのような対策が必要なのでしょうか。
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湿度が高くなった場合には、カビが発生する恐れがあるので、送風機等をかけて、十分に換気または除湿を行う
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漏水・雨漏、洪水等の自然災害などにより水に濡れて吸水した場合には、剥落やカビの恐れがあるので張替えを行う
このように、説明した通り石膏ボードはとても水に弱いため、濡れてしまうと、張替えが発生してしまいます。
石膏ボードを取り付ける場合は、水気や雨などを考慮して、水に濡れないように施工を行うことが重要です。
また、著しく水に濡れてしまった石膏ボードはリサイクルとしても処分できないので注意が必要です。
水を使用する部屋には防水ボードを使う
水を使用する部屋に、水に弱い石膏ボードを使用することは良くないので防水ボードを使用するようにします。
防水ボードとは、石膏ボードの両面の原紙および芯のせっこうに防水処理を施したものです。
防水ボードはJIS A 6901 にシージングボードとして規格があります。
防水ボードを使用する部屋は、トイレや洗面所や台所などの水を使用する部屋です。
まとめ
今回は石膏ボードの水濡れの影響と対応について説明しました。
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石膏ボードは水に弱く、濡れてしまうとカビの発生や強度の低下が起きる
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石膏ボードを施工する場合は水で濡れないように対策を行う
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湿気が多い場所は換気を行い、水に濡れてしまった場合は張替えが必要
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水を使用する部屋には防水ボード(シージングボード)を使用する
以上まとめになります。