「橋の基本的な名称と役割を知りたい」
「橋の形式による違いについて知りたい」
こんな疑問お悩みにお答えします。
土木工事を代表する橋梁工事には橋の種類がたくさんあり、実際にどの現場に見合った橋梁を選定すべきか悩んでしまうところです。
本記事では、橋の基本的な構造や形式別の役割について解説します。
ぜひ最後までお読みください!
橋の基本的な構造|構成と名称まとめ
(画像引用元:新潟県)
橋梁として成り立つためには、各部に役割があります。
上図と下表を参照し、それぞれの役割を理解しましょう。
各部名称 | 役割 |
上部構造(上部工) | 歩行者や自動車、鉄道などを直接支持する部分 |
下部構造(下部工) | 上部構造を支持する部分。橋台や橋脚、基礎からなる |
橋長 | 橋台から橋台までの全体の長さ |
支間長 | 支承から支承までの長さ |
径間長 | 橋台の場合は、橋台前面から、橋脚の場合は、橋脚の中心からの長さ |
床版 | 自動車などの荷重を主桁や橋脚に分散させるための床板 |
伸縮装置 | 橋梁は温度変化によって伸縮するため、伸縮時に吸収するために設置された装置 |
主桁 | 上部構造の荷重を支持し、下部構造へ伝える |
支承 | 上部構造と下部構造の接点に設けられる部材
上部構造の荷重を下部構造へ伝達する役割がある |
橋台 | 橋梁の両端に設けられた台のこと
上部構造を支えるだけではなく、土砂崩れを防止する擁壁の役割もある |
橋脚 | 上部構造を支えるために橋の中間部に設けられた脚のこと |
橋の構造を形式別にまとめ
橋は費用や環境条件によってさまざまな形式で構成されています。
形式について以下です
- 桁橋
- トラス橋
- 吊り橋
詳しく解説していきます。
桁橋
(画像引用元:埼玉県 神泉橋)
桁橋は、下部構造に上部構造を載せた橋梁を言い、最も採用率が高い代表的な橋梁です。
桁橋の特長は以下です。
- 施工費用を安く抑えられる
- 工期が短期間ですむ
- 施工難易度が易しいため施工業者の技術に左右されにくい
などが挙げられます。
橋梁を施工する上で、まず第一候補に上がる構造なので、充分に検討しましょう。
トラス橋
(画像引用元:国土交通省 中部技術事務所)
トラス橋とは、部材を三角形に組み合わせて骨組みされた橋梁を言います。
トラス橋の特長は以下です。
- 応力を広く分散できるため、橋脚の数を減らせる
- 部材が変形しにくく、少ない材料で施工できる
- 橋長が長い橋梁に用いられる
トラス橋も桁橋と代表して多く用いられる構造のひとつです。
橋長が長く、下部に制限がある場合は、トラス橋を採用すると良いでしょう。
吊り橋
(画像引用元:国土交通省 明石海峡大橋)
吊り橋とは、空中に張ったケーブルや吊材を上部構造と繋ぎ、吊り上げた構造を言います。
吊り橋の特長は以下です。
- 橋梁の中でも、最も長い橋梁に適した構造である
- 地上で完結できることが多いので、海域制限時に発生する手続きがスムーズになる
長大橋梁での施工では、吊り橋は最も採用されている構造のひとつです。
有名な橋で言うと、明石海峡大橋です。
橋の長さは、3,911mで、世界最大級の吊り橋でもあります。
まとめ:橋の構造を知り条件や場所に適した構造を選定しよう
本記事をまとめますと、
- 橋の基本的な構造について
- 橋の形式別の特長について
以上について解説しました。
橋梁は長くなればなるほど、構造が限られてきて、施工が難しくなるものです。
とくに、橋梁の施工には海域制限が付き物であり、施工条件や予算など複合的な観点から施工の選定をしなくてはいけません。
橋梁の特長を知ることで設計時の選定幅を広げることができますので、構造を理解し土木のスペシャリストを目指しましょう。